テクノポップ/近未来型アイドル

近未来対談~Airaの†問題(2ページ目)

『COPY』に続く第2弾アルバム『PLASTIC』は、ディリーでオリコン15位にランクイン! シングルを連発したAiraちゃんからの挑戦状! ラストの「Re:†」はあのJusticeを彷彿させます。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

人形論


博士:
あのDollyなファッションは、シャイなキャラクターのAiraちゃんは、MEGやトミフェブが演じているようなメルヘンともまた違う世界なんですよ。むしろその違和感が狙いなんだと思うんです。

先生:
確かに微妙な違和感がありますね。博士の人形論が始まりそうです・・・

博士:
よく判っていますね。少女が鏡台でイタズラして顔中口紅にしたみたいなわかりやすい化粧。洗練されたロリータじゃなくて少女がクレヨンで描く“お姫様”みたいな色調。それらは取って引っ付けたみたいなリボンに象徴されていますね。決してお人形みたいな可愛いAiraがテーマじゃなくてこの違和感・・・すなわちお人形を必死で演じようとしている・・という切なさが伝われば正解なのかなぁと思いました。なぜか丁度近日公開のペ・ドュナ主演の「空気人形」を思い出してしまいました。

先生:
bounce2009年8月号
始まったばかりの待望のテレビドラマ「華麗なるスパイ」でドロシー役をしている深田恭子も違和感が漂いますね。いや、ジョセフィーヌ役のKIKIかな。

遂に、「bounce」誌の表紙を飾りましたね、Airaちゃん。何故に挑発的にパンツ降ろして、便器に座っています。この構図は、アーバンギャルドのよこたんが先駆者です。

ロボットハニー~Summeeeeeeeer set


先生:
じゃ、楽曲について。サプライズはないですが、「ロボットハニー」が1曲目というのは、ワンマンライヴのオープニングであることからも、順当な選択ですね。

博士:
なにかトリッキーなイントロ曲で来るかと思ったら、いきなり「ロボットハニー」本編で来ましたね。

先生:
ワンマンのチップチューン・ヴァージョンというのも考えたのですが、ちょっと浮く感じがしますからね。

「Summeeeeeeeer set」は、ふかわりょう(aka ROCKETMAN)的に言えば、夏の夕日と共に聴けるサンセットハウス。「Valentine STEP」と並ぶ風物詩ハウス・シリーズです。ゲスト・ヴォーカルはTEI TOWAのプロデュースでデビューしたAYUSE KOZUEですね。彼女は、エレクトロというよりも、R&B寄りですけどね。

博士:
ちなみにeは8つですね!
欲を言えば、「ロボットハニー」と完全にシームレスにして欲しかったです。あらゆる意味でAiraっぽい要素の多い曲ですね。一見テクノビートですが仕掛けの多いメロディーラインはフュージョンっぽくもある。かといって海岸通をカーラジオで流してドライブするにはちょっと重すぎ。クラブでリズムに身を任せるには複雑すぎ・・・でもしっかり腰をすえて聞くと結構色々と凝っていて楽しい。いい意味で“観賞用のハウス”って感じ。
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