テクノポップ/Perfume関連

Perfume対談~祝紅白歌合戦出場!!!!!(6ページ目)

謹賀新年、苦節9年、念願の紅白歌合戦出場を果たしたPerfume。2008年紅白について、博士、助手、新たに加わった研究生たちと新年Perfume対談です!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

紅白を見終わって・・・

先生:
(紅白を見終わって再び対談)
ここで紅白対談本番に致しましょう!

では、Perfumeの出番について話す前に、紅白全般についてはどうしてか? 僕は毎年ちゃんと紅白を見ているわけではないので(2007年はZEPP TOKYOでPerfume見ていました)、比較論はできませんせんけど。Perfume以外で注目したのは、ポニョですね。大橋のぞみちゃん、「Perfumeです」やってくれましたからね。

いや、そういう事ではなくて、久石譲の世界が今回の紅白の見せ場だったと。いい意味でNHKらしさがある。

久石譲 vs. 坂本龍一


研究生:
久石譲メドレーは感動でちょっと泣きそう。あのホールのリヴァーヴ感もあるのでしょうが、僕はスティーヴ・ライヒが聴きたくなりました。「ポニョ」も久石氏にとって自然な流れで生まれてきた楽曲なのだと理解できた気がします。

先生:
あの人の作風、ちょっと教授っぽいというか、いや教授が久石っぽいのか? その辺り、「風の谷のカシユカ」を作った博士の意見を聞いてみたいもんです。

博士:
「もののけ姫」のオーケストラ部分と「ラストエンペラー」は似ていますね。

先生:
「もののけ姫」はやっていませんが、まぁいいでしょう。

博士:
それ故に両者の作風を分析するのには、最適な例です。両者ともミニマムの手法を取り入れたと言われますが、メシアンの様に終始そうであるわけではなく、その手法を飽くまで取り入れたに過ぎません。久石の場合、おそらく「ナウシカ」の冒頭でのオルガンっぽい部分がそうだったのが誇張されて言われてるだけで、あまりミニマムな感じはしません。むしろ非常にメロディーラインに特徴がある作家で極論言うとどの曲も基本同じような趣があります。ドリアンスケールを意識したような和声的なカデンツアを持たないきわめてナチュラルな短音階が特徴です。主旋律中ではあまり転調しません。流れるようなメロディーともいえます。

一方、ミニマムと言うのであれば教授の方が顕著です。比較的短いパッセージのフレーズを繰り返す事で大きなメロディーを作っていきます。当然、主旋律内での転調も随所に取り入れます。しかし、「もののけ」の方の久石は流石にちょっと「ラストエンペラー」を感じざるを得ません。 初のクラシックのマッシュアップにも挑戦できそうです。

先生:
教授が久石譲の音楽をどう評価しているかは別として、ねぇ、似ていますよね。どちらがどちらに似せていると言うより、根底に同じものを感じます。

博士:
オーケストレーションの多彩さでは久石に長がある気がしますね。 木管楽器を上手く使いちょっとラベルを思わせる色彩的な手法です。 一方の教授は、ロマン派止まりのオーソドックスなオーケストレーションですよ。ピアノもメロディーユニゾンだし。久石=フランス風、坂本=ドイツ風でしょうか。
  • 前のページへ
  • 1
  • 5
  • 6
  • 7
  • 9
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます