テクノポップ/Perfume関連

Perfume対談~祝紅白歌合戦出場!!!!!(9ページ目)

謹賀新年、苦節9年、念願の紅白歌合戦出場を果たしたPerfume。2008年紅白について、博士、助手、新たに加わった研究生たちと新年Perfume対談です!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

Perfumeと私


先生:
論文と言いながら、対談形式にします。Perfumeとの出会いは?

研究生:
Perfumeを知ったのは2007年の夏頃でした。友人と待ち合わせている時に、駅前の電光掲示板に流れた彼女たちの映像広告を偶然目にしたのがきっかけです。スピード感溢れる「エレクトロワールド」関連のヴィジュアル素材がとても輝いて感じられた(シングルのジャケ写がキラキラしていたからだけなのでしょうけれど)のを覚えています。

その後、CDショップで見つけた『Complete Best』は、使いまわし感全開のジャケットに衝撃を受けました。しかし、その安っぽさゆえに今を逃せば二度と出会えない名曲が詰まっているはず!とも感じたのです。中田ヤスタカ・プロデュース云々という予備知識はゼロでしたから、まったくの直感でした。

先生:
で、買ってしまったわけですね。

研究生:
購入後は、アルバムそのものはもちろん、「コンピューターシティ」「エレクトロワールド」のPVも中毒者のごとくリピート・・・。僕はおニャン子世代のおっさんですから、アイドルポップスは大好きです。しかし、クラブ系やロックなどの音楽を愛聴するようになってから以降で出現したアイドルに、ここまで熱中したことはありませんでした。

先生:
研究生は、博士や僕とは違って、テクノポップではないテクノ世代ですからね。

研究生:
Perfumeの楽曲は中田Pサウンドなどさまざまな魅力を含んでいますが、僕は歌詞における言葉遣いも好きです。各フレーズをシンプルにまとめ、その行間も大切にした、丁寧なのにクドくはならない言いまわしはすばらしいと思います。特に「ポリリズム」はその最たる形かと。

先生:
Perfumeの歌詞というのは、確かにPerfumeの魅力を語る上では外せませんね。現在は全て中田Pが作詞をしていますが、「Perfume」 (「コンピューターシティ」のカップリング) まで手がけてきた木の子の存在は重要です。毒のある歌詞をアイドルが歌うという最高のシチュエーションを生み出してくれましたから。中田Pの作詞も、男が書く女の子目線の詞という点では、素晴らしいとは思いますが。

研究生:
そして、3人の声の個性も大きな魅力です。“オートチューン使用=無個性”とバッシングされがちですが、僕の場合は『Complete Best』を初めて聴いた時点でも、3人それぞれの声の特徴(特にのっちとかしゆか)をある程度感じることができました。ゆったり目のタイム感と浮遊感=かしゆか、甘い中音域とスピード感=のっち、曲ごとに表情を変化させる万能ぶり=あ~ちゃん。このようにメンバーの個性や強みが、「声」というわかりやすい形で楽曲上に表現されていたからこそ、本人たちのキャラクターにも興味を持てたのだと思います。

先生:
オートチューンというのは、考えてみれば、生声があって出来るわけです。またオートチューンの技量というのも試されるわけですから、素晴らしいオートチューン歌声というのは、人間と機械のコラボレーションの結晶と言えましょう。生声でないからダメ的な論調なら、マイク使うのはどうなんだと?

研究生:
僕はのっち派なのですが、彼女が一番人気なのはその声質のせいもあるのではと感じています。フィルターハウスっぽくも聞こえる歌声はセクシーかつポップだし、現在のPerfumeの強みであるハード目のエレクトロや乙女ハウスにもハマリはよさげ。彼女は初見キラーと言われていますが、“初聴きキラー”でもあるのではと。あのキレのあるダンスやステージ上から注がれるエロい眼差しにも胸キュンですが、やはりあの歌声が一番の魅力だと思っています。

先生:
研究生も軽いノイローゼですね。助手のようにならないように気をつけてください。

研究生:
仕事などの兼ね合いから、重要なライヴには行けていませんが、動画をチェックしたり、新曲が出たら喜んだり。TV出演時はとにかくのっちばかり観てしまったり、最近はかしゆかが妙に気になってしまったり。趣味でクラブDJ活動もしているので、楽曲に関してあれこれ考えたりもしますが、それも楽しんで聴くことの延長だと捉えています。

先生:
あ~ちゃんが出てこない・・・じゃ、今度、偽あ~ちゃんのいるスナックに行きましょう。

研究生:
「ポリリズム」以降のPerfume現象で実感したのは、本当の大ヒット曲に共感できるのはとにかく楽しいということ。世の中のメインストリームとのつながりを感じることもできますし、いろいろな事柄に対して寛容になれた気がします。この1年半の間で、仕事柄、あれだけ忌み嫌っていた広告コピー表現やWEBメディアカルチャーを受け入れられるようになったのも、羞恥心やPaboを素直に楽しめたのも、Perfumeと無関係ではなかったのかもしれません。

今年のバレンタインは、バカバカしくなるほどに日本中で「チョコレイト・ディスコ」がかかりまくってほしいです。本当の大ヒット曲はたくさんの人をハッピーな気持ちにしてくれる。それを僕に改めて教えてくれたのがPerfumeです。

先生:
「バレンタイン・キッス」ばかりではなく、「チョコレイト・ディスコ」もかけてほしいですね。
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