テクノポップ/フューチャーポップ

Perfume対談~BUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!(6ページ目)

Perfumeの武道館ワンマンライヴ「BUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!」、2008年11月6日&7日に興奮と熱気の中、終了! けろっぐ博士とオカチメンコ助手を迎えて、そのカタルシスと今後の課題について熱く対談。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

ライヴハウス武道館

先生:
演出という観点からは、やはりオープニング2曲があまりにも素晴らしかっただけに、あのテンションを保ってほしかったというのはありますね。ただ、あれがたった二日の武道館のために全体の演出としてやる事が経済的に許されるかというのは、問題でしょう。

助手:
Pinoだけが冠スポンサーですからね。経済的に無茶はいえないでしょう。しかし、これは今回の武道館コンサートの肝にもつながる話ですが、いままでのライヴハウスとは異なり、武道館いう最上の“ホールコンサート”をPerfumeは初めて行ったということになります。そうなるとライヴハウスとは違う、大バコならではの演出というのがポイントになってくると思うのですが、正直今回の武道館は「ライヴハウス武道館」というのを本人たちが口にしているように、ある意味“ライヴハウスでも武道館でも変わらないPerfume”を見せたんじゃないかと思うんです。それこそヒムロックが武道館をライヴハウスにしたように。その結果、GAME TOUR(=ライブハウス)の延長として武道館が位置づけられていて、大バコならではの見せ方という方向に、それほど意識が向かっていなかったと思うんです。

博士:
以前の対談で「まさか武道館で三人素っ立ちって事は無いでしょうね・・・」」と言っていたことが、オープニング以降は辛くも実現した形です。「Butterfly」は歌入りヴァージョンでしたが、「Take me Take me」も「GAME」も前回ツアーの再現。コスチューム的にラフになっている分、世界観はやや希薄に。ライヴリミックスバージョン的な仕掛けが欲しかったです。

先生:
個人的にはダフト・パンクのピラミッド大作戦的なものを希望するんですが、一ファンとしては、Perfumeに「武道館でよくやった!」と抱きしめてあげたいですね。

助手:
先生!どさくさにまぎれて、何言っているんですか!?
もちろん、Perfumeが武道館2DAYSを実現した!みたいなカタルシスはあったのですが、今回の武道館を見たあとに「また近くのライヴハウスに来てくれないかな」と思っちゃったんですよね。「次はドームだね!」なんて風には思えなかった。とはいえ、楽曲自体はものすごく大バコ向きなのを今回実感しただけに、演出の部分も大バコ仕様になったPerfumeというのも一度見てみたいです。 ただ、「この武道館がゴールじゃない」「もっとその先があるに違いない」と思える内容でしたよね。Perfumeはこれからどんな世界を見せてくれるのか、期待で胸が膨らみますよ。

先生:
カタルシス(抑圧からの解放)!、助手、正に武道館の位置づけとしては、ぴったりの表現です。これで、僕たちの魂も清められたのです。

博士:
最大の変化は、すでに観客の声が聞こえないキャパになってきつつある点ですね。『bitter』で言う「やっぱ、あ~ちゃんだね」的な観客のリアクションです。『GAME TOUR』のDVDで見る限り意外とシーンとしてるでしょ。観客は数分の一なのに『bitter』ライブの方ががちゃがちゃ臨場感がある。 すなわち、客のリアクションを含めた演出はもう限界なんです。隔絶したステージ上での圧倒的なエンターテインメントが必要だと感じます。

え?これがPerfume?というか、怖いくらい作りこまれたシリアスなPerfumeを見てみたい気もしますね。グダグダトークとヒットパレードはアンコールからで良いでしょう。
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