テクノポップ/フューチャーポップ

Perfume対談~BUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!(5ページ目)

Perfumeの武道館ワンマンライヴ「BUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!」、2008年11月6日&7日に興奮と熱気の中、終了! けろっぐ博士とオカチメンコ助手を迎えて、そのカタルシスと今後の課題について熱く対談。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

Dream Fighter

先生:
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Dream Fighter
Dream Fighter(初回限定盤)
それもうただの願望ですね。今回初披露となった「Dream Fighter」はどう評価しますか?

博士:
比較的オーソドックスな路線に回避したかなぁという感じですね。PV的には「コンピューターシティ」、アレンジ的には「エレクトロ・ワールド」を思わせます。「love the world」の時に感じたような神がかり的な印象はなりを潜めました。

先生:
博士は地味だけど光る曲が好きですからね。隠し技的なものはないですが、畳み掛けるような展開が中田Pだなぁと感じます。

助手:
PVが良かった!って、これ全然ライヴの印象じゃないですけど、ライヴ中にバックにPVが流れていて、あんまり格好いいのでステージではなくPVばっかり見てました。

先生:
やっぱり、歌詞はどうしてもPerfumeの今を投影している気がしますね。

ツボとなった曲

助手:
「Dream Fighter」の歌詞には、個人的にいろいろ思うところもあるんですが、話を武道館のライブに戻すと、今回ボクは「マカロニ」がすごく良かったですねぇ。「マカロニ」ってリリースされたときもそうでしたが、『GAME』が出て、そのあとにシングルが何枚か出た後になって振り返ってみても、やっぱりPerfumeの中では珍しい楽曲なんですよね。そういう意味では、ライヴの中で絶対にアクセントになる曲なんです。

今回「マカロニ」を3人が歌っている途中で、花道の先にある円形のステージがぐるぐると回り始めたんですけれど、もうなんだか切なくて(涙目で)。あらためて名曲だと実感しました。そういえば、さっき作家のエゴで作品の世界観が云々という話をしましたが、「マカロニ」のPVはある意味エゴを徹底的に排除して作品の世界観を重視したプロの仕事だと思います。手法や技術はすごく簡単で、実験的でもないから素人でもすぐに真似できそうなんだけど、そういう「ベタ」なことを関さんでしか撮れないヴィジュアルに落とし込んでいますよね。

作家的なエゴを出せば、あんなシンプルでベタな表現は選ばないはずなんですよね。もっと新しいことに挑戦したくなる。でも、ああいったありきたりの手法だけど、自分たちにしか撮れない映像に落とし込んだというのは本当に脱帽です。あのPVって現在ではなく過去を切り取った映像だと思うんですよね。だから切ない。明らかに脱線しちゃいましたけど、とにかくボクは今回「マカロニ」が素晴らしかったです。皆さんの印象はどうですか?

博士:
私は一貫して「エレクトロ・ワールド」派ですね。 作りこまれた世界観と楽曲のよさは日本のテクノ史上屈指の名曲でしょう。 まだPerfumeの世界観が十分こなれていなかった分、逆に力任せに作りこんだ感が有って、まだ渡辺香津美がサポートしていた頃の初期のYMOみたいな珠玉感があります。 しかし、そこには確実に今に通じる“原風景”がある。ここで確立した三人のコスチューム分担が、まるでバウハウスを経て近代構成主義が確立していくようによりシンプルに、端的な形で洗練されて行き、現状DFできわまった感じがあります。 ただコスプレイヤーとしては、淡色のヒラヒラ服はちょっと物足りない感じもしますね。

先生:
曲単位で言えば、やはり「シークレットシークレット」は何度見ても鳥肌です。イントロの“静”から“動”への展開が素晴らしい。「GAME」から続く曲順でしたが、1日目は「シークレット」のマネキンの振りに入るのに遅れちゃったみたい。武道館の広さが裏目に出た感もありますが、今となってはいい思い出です。あと、「チョコレイトディスコ」と「ポリリズム」はやはり鉄板ですね。 聴きすぎて飽きたと思いきや、曲が始まるとその世界に引き込まれてしまう。

博士:
全体を見渡せば、基本的にはヒットメドレーで無難にまとめてきたかなという印象でした。逆に先生が以前言っていた“捨て曲”の無さという点を再認識できました。強引にレアな曲まで捻出しなくておなじみのヒットとノリのよい曲だけでセットが組めてしまうんですから。しかし、Perfumeを追いかけてきたファンにとってはやや物足りないものを感じたのではないでしょうか?
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