ドイツの電子音楽
番長:ここで、ドイツの電子音楽に話題が移りました。
ドイツの電子音楽は、元がプログレッシブ・ロックで、ドイツのプログレッシヴ・ロックはJAZZの影響を受けているため、別の意味で黒人音楽と親和性が高いそうです。そして、シーケンサーのループとファンクに置ける反復の類似性について触れてました。
その実例として、クラフトワークがあげられますよね。 しかし、アメリカにしろ、ドイツにしろ、電子音楽のルーツの一端は黒人音楽にある訳で、こうやって説明されると一目瞭然なのですが、ある意味、目からウロコです。
先生:
クラフトワークの他には?
番長:
タンジェリン・ドリームの「Phaedra」、マイク・オールトフィールドの「チューブラー・ベルズ」、ヴァンゲリスの「The Tao of Love」「The Dragon」など。(松前さん「ヴァンゲリスのシーケンスパターンは独特の使い方ですよね」 田中さん「ヴァンゲリスのキーボードの人はYesに紹介されたんですけどキーボードの使い方があまりに独特だったので、Yesに加入できなかったんですよ」)
先生:
所謂プログレ的なものですね。
ニューウェイヴ期
番長:さて、ここで、ニューウェイヴの登場です。
田中さん、松前さんは、以下のような要旨を語っておられました(要約文責はよしのです)。
「ニューウェイヴの出現は、デジタルシーケンサーの出現と関係が深い。元々、パンクと言うのはテクニックを排除したセンス主導の音楽であった。そして、デジタルシーケンサーの出現により、電子音楽がセンス主導で制作できるようになり、ニューウェイヴの出現を促した」と。
Japanの初期の例としてジョルジオ・モロダーの事に触れつつ「Life In Tokyo」、後期の例として「The Art of Parties」を紹介。
デュラン・デュランの「Girls on Film」(「この辺りは、もっと再評価されても良いんですよね」と田中さん)
ニック・ローズのフェイザーが掛かったJupitar-8シンセサイザーが大好きな僕は、まったく同感です!
ヒューマン・リーグの「Love Act」 (松前さん「ヒューマン・リーグとゲイリー・ニューマンはなぜか再評価されないんですよね・・・」)
Pete Shelly の「Telephone Operator」とか・・・
New Orderの「Blue Monday」 (「この曲のバスドラ連打って、演奏の上手な人には思いつかない発想で、センスの良い素人がシーケンサを駆使した実例ですよね」と田中さん)
ブライアン・イーノと作成した「ロウ」に触れつつ、デヴィッド・ボウイの「Fashion」、スクリッティ・ポリッティの「Hyponotize」、スクリッティ・ポリッティのキーボードであるDavid Gamson「No Turn On Red」(この曲、存在を確認できません。聞き間違いかもしれません)などを紹介。
先生:
David Gamsonは、「Sugar Sugar」のカヴァーもやっていましたね。
番長:
それから・・・
The Buggles「On TV」、ルパート・ハイン「Psycho-Surrender」、Robin Scott「Eureka」、Devo「Girl U Want」など。
この前後でMIDIが登場して来たのですが、やはり、MIDIの登場後から音楽の手法的進化が爛熟化してきた事に触れてました。
その一例として、緻密な音源の作り込みで当時「狂気」と評されたケイト・ブッシュの「The Dreaming」。
こうやって聞いていくと、今、存在しているテクノポップの構成要素は、このあたりで全部出尽くしたと、私(よしの)は思ってしまいますね。
先生:
繰り返す~というやつですね。