テクノポップ/フューチャーポップ

Perfume対談~アイドル・バトル(5ページ目)

けろっぐ博士とオカチメンコ助手を迎えてやっている恒例Perfume対談ですが、『マブ論』を発端によしの番長が『BUBKA』片手にPerfume対談に殴りこみ!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

Perfumeの世界観問題

先生:
僕も箸休め的な曲はいいのかなぁって思うんですけど・・・今回、自分で気がついたのですが、世界観が統一というのが一つに自分の判断基準になっていると。

番長:
なるほど、世界観ですか!
「僕がPerfumeについて奥歯に挟まって居たもの」がはっきりしました。

古今東西、名だたるテクノバンドなら、クラフトワーク(ドイツの機械美)、YMO(東洋の無個性美)、DEVO(アメリカのバカ美学)、ジグ・ジグ・スパトニック(25世紀の電子ロックンロール)、ロマンポルシェ(おどろおどろしいニューウェイヴ+ストレートな男気)と「世界観の作り込み」が緻密だったのですが、

Perfumeの場合、
表現したい世界観が「とにかく近未来的」と言う事で漠然としている・・・
表現しているのが、Perfumeの世界観なのか、中田ヤスタカの世界観なのか、良く解らない・・・

もし、Perfumeを「ガチのテクノポップ」として捉えた場合、これらの点で物足りなさがあると思います。

先生:
アイドルという枠の中でクラフトワークやYMOなどと比較対象になるだけで、Perfumeは異質な奇跡なんだと思っています。 実際、ミュージシャンと呼ばれる人達でも、そこは難しい訳ですから。

番長:
たしかにそうですね。

YMOとアイドル

先生:
実際、YMOの人達が関わったアイドルでさえも、世界観の統一感にはなかなか至っていませんからね。スターボーも宇宙人から普通の女の子になって、中途半端なアルバムになったわけで。まあ、アルバム全部を任されるケース自体まれなんで、依頼する側の問題の方でしょうけど。そういう意味では、アイドルと言うべきかボーダーですが、高橋幸宏が手がけたスーザンの二枚のアルバムは、例外的に素晴らしいです。

番長:
これは、 先ほど言った、「実験」と「羞恥プレイ」の違いで解釈可能だと思います。「スーザンを高橋幸宏が手がける」と言うコンセプトは実験であり、「女の子3人を宇宙人にする」と言うコンセプトは、誰がどうみても「羞恥プレイ」ですよね。スターボーというシステムの最上位には羞恥と言うコンセプトが存在します。そして細野晴臣が行った「作曲とグループ名の命名」はシステム内では下位レベルでの作業ですよね。スターボーは、女の子3人に加え、細野氏も羞恥プレイの犠牲者だと思います。

先生:
いや、違うんですよ、「ハートブレイク太陽族」は羞恥ではなく実験なんですよ、僕の中では! 問題は「たんぽぽ畑でつかまえて」なんですよ。

番長:
あと、これは大事な話です。北中正和・編「THE ENDRESS TALKING」を読むと書いてるんですが、当時、細野氏は、歌謡曲仕事を「自分でコンセプトを決めるアーティスト」では無く、「システム内で他人が決定したコンセプトに沿った制約内で作曲する職業作家」として音楽に関与できることを嬉しがってたんですね。これは、その頃の音楽産業の構造を考えると当然でしょう。だから、僕はYMOと中田Pとを「アイドルの世界の作り込み」の比較題材にするのは、ちょっと無理があるなと思いますよ。25年前の歌謡曲の作曲家に、今のプロデューサーのような権限はなかった訳ですから。

先生:
あと、素材の問題もあったでしょう。

先ほどの番長に答えれば、世界観は当然、中田ヤスタカPや素晴らしい振り付けやPVを創っている周りのスタッフの力によるものだと思います。しかし、Perfumeはそれを完成させる素材なんですよね。 『BRUTAS』誌でもあ~ちゃんが「前は作詞にも挑戦したいと思っていましたが、今はその気持ちはない・・・」と発言していますね。アイドルとして自分たちの役割をきちんと分かっているなぁと感心しました。

番長:
たしかに、ちょっと頭に血が昇りすぎたかな。
頭を冷やして考えると、Perfumeは本来の意味でのアイドルなんですね。
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