テクノポップ/フューチャーポップ

Perfume対談~アイドル・バトル(4ページ目)

けろっぐ博士とオカチメンコ助手を迎えてやっている恒例Perfume対談ですが、『マブ論』を発端によしの番長が『BUBKA』片手にPerfume対談に殴りこみ!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

おしゃれ感問題

先生:
でも、羞恥曲ってカネとは限らないのでは? 単にセンスが無いだけのケースも多いでしょう。Perfumeにも実験曲があるわけですが、あの“おしゃれ感”が番長にはアピールしていないんじゃないかなと。

番長:
う~ん。最初期の 「スウィート・ドーナツ」なんか実験曲かも知れませんが、中田氏は、メロディーやアレンジの引き出しが狭いような気がしますね。むろん、ロック系の人の多くは、一芸に秀でている=引き出しが狭いですよね。高橋幸宏なんか最もたるものです。しかし、ロック系の人は、自身の欠点に気づいてて「手詰まり」を感じるとゲストミュージシャンを呼ぶ訳ですよね。僕は中田ヤスタカがソロに拘って(バリエーションが必要とされる)J-POPのトラック制作を一人だけで行う事に無理があると思います。無論、ここらは主観の問題ですが、僕としては、そこに引っ掛かりを感じるのかも知れません。

先生:
その意見には異論がありますね。博士も解説していましたが、確かに中田氏は同じコードパターンを多用するけれど、それらを多面的に活用する才能があると見ます。

番長:
あと、Perfumeの「おしゃれ感」は、難しい感覚ですね。中田氏はPerfumeを「クラブで掛かる音楽の要素から、大衆に受け居られるものをダウンロードして構築した音楽」と言っていますが、これは、料理店で言うと、本格イタリア料理店では無く、サイゼリアの美味しさな訳です。「アイドルの唄うJ-POP」と言う音楽がファミレスである以上、サイゼリアの立ち位置は非常に良く解り、積極的に評価しないとダメなんですが、自分が(先生もそうですが)、その気になればクラブ=本格イタリア料理店に行ける立場である以上、せっかくファミレスに行くなら、サイゼリアじゃ無く、ガストの方がファミレスの雰囲気を楽しめるだろうと思ったりする訳です。

先生:
僕は逆に都会で鍛え上げた超おしゃれなピープルはちょっとイヤミだけれど、地方から出てきて努力しているプチおしゃれな人達は好きになれるみたいな感覚が、Perfumeですね。

番長:
ただ、断っておきますが、これは、あくまで「マーケティング上のマイノリティ」としての僕個人の感覚です。実家に帰省したりして、親や親戚の子供を連れて、みんなで美味しいものを食べに行くなら、僕は、本格料理店では無く、ガストでも無くてサイゼリアです。Perfumeの「おしゃれ感」は、客観的には解るんですが、やっぱり、僕の場合、J-POPには「これだけ、みんなに受けてるのに、実は強烈なモンド」と言う感覚を求めてしまいますね。

ヲタ芸は儀式??

先生:
もうひとつあるとすれば、ハロプロ周辺から起こったとされるヲタ芸というものに対しての違和感ですね。ネタとしてTVとかで見る分にはいいのですが、男の汗が撒き散らされる現場には居たくないのです。男の汗が嫌いなのだけかもしれませんが(笑)。

番長:
さて、ヲタ芸の話です。コンサートやハロプロ系クラブイベントを「祭り」として捉えると、やはりそこには汗が欠かせません。祭りと言うのは社会学的には「神霊などを祀る儀式」ですよね。そこで、「神霊=アイドル」と解釈すると、コンサートやハロプロ系クラブイベントは歴とした「祭り」だと思います。日本の祭りには、天岩戸伝説でのアメノウズメ以来、踊りと汗がつきものなのですが、ここでの問題はまき散らされる汗が全部男のものであることですよね。でも、この段階まで問題が解明されてしまうと、「女の汗ならどうなのか」と言う自ら課した厳しい尋問に自ら答えねばねばなりません。

先生:
なるほど、ヲタ芸はつまり宗教的儀式なんですね。女の子の汗なら許しましょう。

番長:
まあ、これはここまでにして置いて、ヲタ芸の功罪については、別の機会で話しましょう。
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