AFTER BURNER
ガイド:で、今回の『AFTER BURNER』はセカンド・アルバムとなるわけですよね。90年代終盤以降、ニューウェイヴの遺伝子を受け継ぐバンドが結構増えてきた中、今回のアルバムを聴いてみて、このテンションの高さは何なんだ!・・・と。オープニングの「Attention Please!」からエンディングまで止まらない疾走感。今回のアルバムは何かテーマを持って作られたのでしょうか?
タバタ:
実は全く別のもっと壮大なアルバムを作ろうとしてたんです。そのために曲を作り溜めてましたしね。
タダ:
流れとしては歌物がやりたかった、という事からでしたねえ。で、曲は溜まって半年以上放置されたんだけど(笑)。
ワタナベ:
タダさんの言うとおり、実は歌ものがある程度出来ていたんです。しっとりとした(笑)。けど、具体的に音源にする話になった時に「いや、違うな」と。「勢いだろう」ということでね。
クスモト:
航空電子の忘年会で、ポップンミュージックに提供した「マスカレード・ア・ゴーゴー」を収録できることになったってタバタから聞いて、それならとモツ鍋をつつきながら『AFTER BURNER』に決めました。
ワタナベ:
それで確か、「全員が「AFTER BURNER」という曲を作る!」みたいな事になって、皆それぞれ作ってきたんですけど。僕だけ諦めて(笑)、出した曲が「Attention Please!」で。
一同:
ずるいよねえ(笑)。
タバタ:
アルバム全体の話としては、21世紀が、昔皆が思い描いた未来と違って思いのほかとても暗いのがホントに嫌で、世の中に流れる曲が妙に優しいのもホントに嫌で、でもそんな世の中を受け入れざるを得ないような風潮がホントに嫌で、なんというか色んなものを楽しむ余力もない世の中ってのが嫌で嫌で仕方がなくて。。。そういうものへの反抗心で作りました。そういう意味ではとてもパンク。
それで出てきたテーマが「1990年代のバブルを踊り、2000年代の暗澹を笑い飛ばし、2010年代をぶっ飛ぶための添加剤」。テンションの高さはそういった意気込みみたいなものです。
クスモト:
でも、大体曲集めてアルバム作ると大概テンションあげっぱなしのものばかりになって、あんまり「抜ける」曲って出来ないんですよね。後で出来上がったの聴いてみると「おまえらもうちょい落ち着け」「ちょっと大人になれ」とか思ったりします(笑)。
ガイド:
6曲目の「未来の僕ら」はツボです! 「未来」というテーマにぐっと来てしまうというのもあるんですが、出だしのテンションが高いにもかかわらず、サビで切ない気持ちになる・・・大変気持ちのいい曲です。
タダ:
御褒めの御言葉ありがとうございます。生まれは群馬、去年の三月、腰痛療養中でした。この一週間の四つ子の一つです。作者といたしましてはノリ重視の勢いで作りました。それが良かったのか深く考えなかったので割りと安産でした。歌詞もその時勝手に出てきた言葉がハマっていたのでそのままにしました。こういう子が沢山できるといいんですがねえ。
ガイド:
「マスカレード・ア・ゴーゴー」は、FLOPPYの小林写楽さんのミックスも収録されていますね。友達が対バンしていたので、 FLOPPY のライヴは一度見せていただいた事があるんですが、この日は女子が多かった(笑)。男臭さがある航空電子とは繋がらなかったのですが、意外な相性の良さに驚きました。小林さんとはどのような繋がりなんでしょうか?
タバタ:
小林写楽さんがやっているFLOPPYと、2006年に有頂天のトリビュート盤に一緒に入ったんですが、その時、FLOPPYとHONDALDY と航空電子の3バンドでトリビュートイベントを、レーベルとかと関係なく半ば勝手にやったんですね。そのイベントはすごく各バンドの有頂天への偏愛っぷりが愉快なイベントだったんですが、その時にいつか何か一緒に作品を作れたらいいなと思ってました。
写楽さんの打ち込みは素晴らしいんですよ、ホントに。何を素材に持っていってもちゃんと「小林写楽」の音になるんです。当たり前のようでいてそれってとても重要で最高なことです。航空電子はアクというかクセが強いので、リミキサーからすると扱い辛いバンドだと思うんですが、写楽さんなら絶対すごいのが出来ると思ってお願いしました。出来上がりを聴いて、正直目から鱗が落ちましたもん。これだけでも買う価値があります、太鼓判!!もう、これだけのために買ってください!!
一同:
えーーーーー(笑)
タバタ:
いや、勿論全部聞いて欲しいんですが。
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