テクノポップ/フューチャーポップ

Perfume対談~ビジネスモデル研究(3ページ目)

今回は、結構真面目にPerfumeのビジネスモデルを研究したいと思います。博士も意外と真面目です。つまり、Perfumeはこだわりのあるラーメン屋であるべし。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

東京へ進出

先生:
ラーメンの神のお陰で、銀行ももう少しなら融資してもいいと言ってくれます。2005年にラーメン屋さんはここは勝負と東京への進出を決心します。ラーメンの味だけでなく、さらに麺と具にも改良を加え、味の個性が伝わるような店構えとなるわけです。

博士:
味はラーメンの原点に戻った印象ですね。 昨今流行のこってり味への挑戦のようにも見て取れます。むしろ往年のラーメンファンが“懐かしい昭和の味”とか言って注目し始めた・・と聞きます。

先生:
そう、レトロな味なんですが、新しいのです。レトロフューチャーですね。

博士:
メジャーデビューした「リニアモーターガール」のような話ですね。

先生:
東京での勝負はそんなに甘くありません。昔からの常連客は、「芳香軒のラーメンはラーメン界最後の希望の星」と絶賛してくれましたが、なかなか激戦区の東京での知名度は上がりません。宣伝費も東京は高いので、地道な地域での活動が中心となります。

博士:
それはPerfumeで言えば、宇多丸さんと掟ポルシェさんのような人たちですね・・・

先生:
ここに落とし穴が。東京では家賃、人件費、材料費、全て割高で、このまま東京で店を存続して行く事は広島時代よりも遥かに難しくなっていることに気付きます。このままでは広島に帰らないといけない危惧も生まれてきます。

博士:
流行の味に迎合してしまう誘惑が周囲から来そうですね。

先生:
しかし、ラーメン屋さんは自分の持っているこだわりを信じていました。いや、最初はラーメンの神の伝授してくれた秘伝のスープは普通のラーメンとあまり違いすぎるので、これでいいのだろうかと疑心暗鬼になっていました。もっといま流行の受け入れられやすい味にするべきなのかと迷いました。しかし、やっている内にラーメン屋さんはこれが自分にしか作れないラーメンの味である事に気付き始めました。自分の作るラーメンが大好きなお客の言葉を信じて・・・

博士:
店長自ら店頭でビラをまいたりしていたらしいですね。そのときの合言葉が「名前だけでも覚えて帰ってください」。

《けろっぐ博士の妄想コーナー》
「名前だけでも覚えて帰ってください」・・・書いてて泣けるキーワードだ。
例えば映画のラストシーンがむしゃらに走り続けて来て、あ~ちゃんがいつものようにそう言って目の前を見あげた時、そこには満員のお客様。後ろから「もう言う必要もないよ」と促す二人が居る。
誰も居なかったホールとオーバーラップする映像。そこには少女だった三人が座ってステージを見てる。
「たとえ口に出さなくてもこれからもずっと心のなかでは叫んでいくんだ~名前だけでも覚えて帰ってください」って
そっと心に誓うあ~ちゃん。そしてエンドタイトルへ・・・泣けるぜ!
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