三人対談始めましょう
先生:博士、助手、今回もまた三人対談となりました。助手は前回の対談が初登場でしたが、反響はありましたか?
助手:
All Aboutの反響、やっぱり大きいです
今日会社のエレベーターで、あまりしゃべったことのない先輩から「今日はクワガタのかぶってないんやね?」と言われて、何のことかと思いましたが、たぶんAll Aboutを読んだんだと思います。
「Baby cruising Love」を最初聴いた時・・・
先生:amazon.co.jpにあるCDは、ジャケ写からリンクできます。(amazon.co.jpにない場合、海外のamazonや他の通販サイトへ)
Baby cruising Love/マカロニ |
1月16日発売の『Baby cruising Love/マカロニ』に合わせて、PerfumeのTV露出が一気に上昇しましたね。ラジオでオンエアを最初聴いた時は、どうでしたか?
博士:
正直な感想は当初ちょっと期待はずれでした。
「ポリリズム」が挑戦的なほどにインパクトがあったせいか、イマイチ煮え切らない曖昧なメロディーラインと典型的な中田サイズアレンジ。 サビ中盤で中田節にしては珍しく変化を見せる点も逆にこぎれいにまとめてきた様な印象を感じました。
助手:
ボクは「え?もうこれやっちゃうの?」というのが最初の感想でしたね。
よく居酒屋なんかで誰にも頼まれてないのにPerfumeの今後の展開を勝手に話し合ってたりするのですが、まずは「ポリリズム」で世間的に認知されて、次のシングルはその路線のアッパーな曲でブレイクして、その次くらいのシングルでいままでなかったタイプの歌モノと言うか、人間味のある曲を出して幅の広さを見せていくのがいいという話になっていたんですよ、その居酒屋では。だからボクとしては「あ、もうこれ出したんだ」みたいな。
でも、ちょうどPerfumeの新曲の前に出たCOLTEMONIKHAのアルバムがすごく良くて、中でも「Sleeping Girl」の黒っぽいブレイクビーツ感と「ドミノ」のメロディーの聴かせ方が好きで、中田ヤスタカの引き出しの広さというか「あーPerfumeでもこういう曲作ってくれないかな」と思っていたので『Baby cruising Love/マカロニ』の2曲はまさにその路線の延長にあったので嬉しかったですね。
中田リリック
先生:「ポリリズム」という曲がアイドルでここまでやるか?という痛快さがあっただけに、新曲には期待と不安が交錯したのは事実です。「Baby cruising Love」は、近未来三部作後の作品の流れを振り返ると、十分理解できます。
確かに『リニアモーターガール』に始まる近未来三部作は後世にも残るテクノアイドルとしての金字塔だと思いますが、『Complete Best』で新曲として唯一収録された「パーフェクトスター・パーフェクトスタイル」で現在の乙女ハウスの原型は出来たと言っていいでしょう。
乙女ハウスや胸キュンハウスというのは最近のトレンドでもありますが、アイドルであるPerfumeの曲の出来があそこまで優秀というのは痛快です。これは別にアイドルを蔑視しているわけではなく、アイドルの楽曲クオリティーの平均値を上げるためにも、本来アイドル楽曲でやっていくべき事だと考えます。
そして、「ポリリズム」とカップリングされた「Seventh Heaven」は、中田Perfumeとしてのラヴソング解禁であるわけですが、その延長線上に新曲があると考えます。ラヴソングでありながら、表現はあくまでも婉曲的なのが中田リリックの特徴と言えます。
助手:
中田リリックはいろんな解釈が出来るから面白いですよね。ファンの間でよく言われるのが「パーフェクトスター・パーフェクトスタイル」の歌詞は、当時解散の危機に瀕していたPerfumeの状況を歌った非常に怖い曲だという話がありますよね。同じように「ポリリズム」も、Perfumeを支えてきたファンの気持ちが無駄にならずに、巡り巡ってブレイクにつながった状況を歌っているようにも聴こえるし、今回の「Baby cruising Love」も、ブレイクを果たして大海原に飛び込んでいったPerfumeの状況を歌ってるようにも聴こえる。とまぁ、完全に深読みしすぎなのですが、偶然にも全く同じことをライムスターの宇多丸さんが言っていて、すごく嬉しかったです。ちょっと話が脱線しましたね。すみません、「Baby cruising Love」の話に戻しましょう(笑)。
先生:
Perfumeがゲストで登場した宇多丸さんのウィークエンドシャッフルでの話ですね。相変わらず素敵な卑屈さでしたね。
で、博士、結局「Baby cruising Love」はどうなんですか?