歌のうまいお兄さんとピアノのうまいお兄さん
ガイド:今まであったフォークでもロックでもない、でも児童向け音楽というには、曲によっては複雑なリズムで凄く実験的です。一部、シュガーベイブのヴォーカルもありますが、このアルバムで少年少女合唱団に歌ってもらった理由は?
及川:
これは「学芸モノ」として出版されたのです。僕が暖めていた、アイヌ文化を当時の僕としては、ふつうに音楽したい、という考えを、引き受けてくれたのが、ビクターの学芸部だったのです。
もうそのときに児童合唱団「みずうみ」が歌うことは決定していたようなものなのです。しかし、僕としては、どんな条件下だったとしても、実現したかったわけです。できたら、自分が好きな音楽屋と一緒にということです。それが、坂本氏だったり、山下氏だったり、シュガーベイブだったりしたのです。思えば、すごいむちゃくちゃやったのですね・・・。
だいたい、あんなリズム、当時の児童合唱団に歌えというのもね。でも、歌のうまいお兄さん(子供たちがそうよんでいた)山下氏の指導のもと、トライしていましたよ、子供たち。ピアノのうまいお兄さん(子供たちがそうよんでいた)が、童謡としてはひじょうしきなもの書いてきたから。結局、シュガーベイブ本体に頼らざるをえないものもありましたが。
しかし、この盤は、どっちかというと、坂本氏にとっても山下氏にとっても、フレラレタクナイ過去、かと思っていました。
ガイド:
ご協力ありがとうございました。今回、及川さんの貴重な作品がCDとしてより多くの人たちに聴かれる事を望んでいます。
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