テクノポップ/海外のテクノポップ

ノルウェーのニューウェイヴの過去と現在(2ページ目)

80年代のノルウェーはa-haだけではなかった。フラ・リッポ・リッピなどがいたUnitonは、ノルウェーのポストパンク・レーベル。一押しは、ノルウェーのニュー・オーダーことロレイン!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

どうしてStrange Daysから?

Periode
ヴィルデ(Vilde)とアンダース・オッデン(Anders Odden)からなるノルウェー出身の男女ユニット、マジェンタ(Magenta)のデビュー・アルバム『Periode(ピリオーデ)』(1998年)は、本格派ブリティッシュ・ロック・マガジンとして創刊された「Strange Days」のレーベル、Strange Days Labelよりリリースされました。Strange Days的でないとまでは言いませんが、かなり変化球な選択です(笑)。

You And Me Against The World
今更のように聴いてみると、確かにブリティッシュな香りがする耽美的テクノポップ的楽曲が多いですが、EBM(Electronic Body Music)っぽい曲もあったりします。その辺は、アンダースがEBMを起源としているデンマークで生まれノルウェーに移り住んだステファン・グロス(Stephan Groth)率いるユニット、Apoptygma Berzerk(APBと略される事が多い)の元ギタリストであったことも関係するでしょう。APBはノルウェーのバンドとしては世界的に結構有名でLadytronがリミックスした「Until The End Of The World」などは超お勧めであります(ジャケ写は最新アルバム)。Fairlight Childrenという別名義のエレポップもやっています。また、ノルウェーにはChinese Detectives、Posh、Cronos Titan、Icon Of Coilなどのエレポップ~EBM系のバンドがいます。これらはAPBの元メンバーが絡んだり、ステファンのプロデュースで会ったりすることからも、APBはシーンの中心的存在なのでしょう。

イギリスへ出稼ぎ?

Pleasure
結構優秀な作品を作りながらもほとんど話題にならなかったのがプレジャー(Pleasure)のアルバム『Pleasure』(2004年)。元Elasticaのジャスティン(Justine)をフィーチャしたシングル曲「Don't Look The Other Way」なんてヒットしてもおかしくないのですが。プレジャーことフレッド・ポール(偽名?)はノルウェーからイギリスへ一旗挙げる為に渡ってきたアナログ・シンセサイザー・マニアの若者。キャッチーでファンキーなエレクトロポップど真ん中です・・・ど真ん中過ぎたのか?

のけぞるほど良いロレイン

The Perfect Cure
最後に今回の一押しの登場です。ベルゲンという町は一体どうなっているんでしょう。2003年に『The Perfect Cure』でデビューした、まさに叙情派エレクトロポップ・トリオ、ロレイン(Lorraine)もまたもやベルゲンからです。ノルウェーの超メランコリックなNew Orderとでも呼んでおきましょう。日本では無名ですが、ちゃんと日本盤も2004年に出ているんですよね。

I Feel It
のけぞるほど良いシングル『I Feel It』で本格的にイギリスにも参入し、チャートイン(26位)したようです。今秋には待望のセカンドアルバムが予定されています。ちなみに3人組の内2人はニューロマ系ですが、帽子を被った写真しかない人が1名おります。

Lorraine(「I Feel It」もフルで聴いてみよう!)
Norwegian Bandindex

【関連記事】
せつないノーウェジアン・ポップ
ロイクソップとベルゲン・ウェイヴ
【編集部おすすめの購入サイト】
Amazonでテクノポップ関連の商品をチェック!楽天市場でテクノポップの CD・DVD をチェック!
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます