NESbeatとは?
――エレクトリックラヴのオリジナリティの一つとしてNESbeatというスタイルを提唱されていますが、それは何なのでしょうか?最近はさっぱり作ってませんが(笑)、つまりはNES=ファミコンのことで、ファミコン音楽のサンプリングミュージックです。つまりファミコンの曲を音ネタとして使うわけですね。南ナツコがこれをやっていて、最初のころは面白がって色々やっていましたが、最近はオリジナルアルバムを作るにあたってまったく放置な分野になってしまいました(笑)。
国内外でのチップチューンの盛り上がりもあり、胸を張れるほどのオリジナリティがなくなった所為もありますし。ただ、チップチューンと違い、曲などをネタとして丸々使うというのは、ブラックミュージックにおけるサンプリングの手法に近いものがあると思っていて、彼らは自分達の文化が生み出した音を再生させています。ならば日本の文化はなんだろう、と問えば、ゲームやアニメーションが強いですよね。そこでゲームサウンドをオマージュ的に音ネタとして使うことは、日本のカルチャーの再生だと思うんです。そういう意味で面白いとは今でも思っています。ただ権利関係が大変そうなので、なかなか難しい話でもありますが…(笑)。
――やはりTVゲームは好きなんでしょうか?
私や南ナツコは好きですね。
特に南の方はマニアックです(笑)。
――では、エレクトリックラヴが比較的最近リリースされてもので、感動したアルバムとかあれば、教えてください。
私は…大のプリンスファンでありまして、最新アルバム『3121』がここ最近ではヒットですね。
ちょっと前ならマドンナの『Confessions on A Dancefloor』でしたが…。
今後の予定
――All Aboutとは縁が深い、TECHNO4POPの次回コンピ(VOL. 5)に参加されるようですね。曲は決まったのでしょうか?決まりました。
ここで言っていいのかどうかわかりませんが、好きな曲をこちらで選んでいいとのことでしたので、アルバムから「Static Love」を選びました。
――ライヴとか表の活動は現在、予定されていないのですよね。・・・とても見てみたいのですが。3人の女性がロボ声でライヴするなんて・・・かなり絵になります。ダメですか? では、せめてセカンド・アルバムの構想でも。
残念ながら、様々な事情や活動のコンセプトにより、ライヴはできないんです…。
本当にこれはよく聞かれることなんですが…。ライヴができないのはアピールも薄くなりますし、シーンで這い上がっていくつもりであれば必須ともいえる事ですよね。むしろライヴが命綱というのが現状でしょうね。ですが、TELにはTELのやり方があります。メンバー全員がかなりの完璧主義なので、お粗末なライヴをするくらいならしない方がいい、と思っています。現状、とても自分達が満足できるライヴをこなすことは不可能なんです。それならばその分、作品作りに力を入れたいですし、音源だけでどこまでリスナーの皆さんの心を掴めるか、というある種の挑戦のような考えもあります。
リスナーの質は本当に様々ですが、時代の所為か、最近「受け身」なリスナーが増えている気がします。特に若い世代でしょうか。私たちも古株というわけじゃないですが(笑)、主に洋楽、しかも旧譜をメインに聴いてきたのでどうもリアルタイムな音を聴いている方々とは温度差を感じてしまいますね。これは別に非難しているわけではないですが。シーンやリスナーを自分達の力で変えたい、なんて大それたことは考えていませんが、自分だけの感性を見つめることの面白さみたいなものを少しでも多くの人に伝えられたらな、と思います。なんだかまとまりのない話になってしまってスミマセン。
セカンドの構想ですが、ファーストよりももっとポップに、いわゆるテクノポップ、エレポップ的な曲が多くなるかと思います。ファーストは名刺代わりのような意味合いもありまして、色々な曲を詰め込みましたが、次回からはアルバムによってサウンドキャラクターをある程度固定させて制作していくつもりです。今後の作品にもご期待ください!
――ご協力ありがとうございました。
【関連記事】
◆Electric Candyなnormal pop?
◆TECHNO 4 POP~VOL.4
【関連リンク】
◆The Electrick Love(エレクトリックラヴのブログ)(試聴できます)