テクノポップ/テクノポップ基礎知識

真性テクノアイドル(グループ編)(3ページ目)

真性テクノアイドルの中でもグループについて解説します。80年代にテクノポップの潮流の中から生まれた愛すべきテクノアイドルたち。21世紀に広島から現れたテクノアイドル・グループとは誰だ?

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

不作の90年代

90年代において、真性のテクノ・アイドルに認定できそうなグループはボクが知る限りいません(ソロはいますが・・・)。地下系アイドルにいたら、すいません。時代は、トリオからカルテット以上、「セクシー・グループ90's」で特集したようなセクシー・グループ、パードル(東京パフォーマンス・ドール)、そして終盤ではハロプロ勢が幅を利かせます(音楽的な意味ではないですが)。敢えて挙げれば、電気グルーヴの「虹」をカヴァーしたflip flapぐらいですが、彼女たちもコンセプト的にはそれほどテクノではありませんね。

Perfumeは救世主

10年以上のブランクを経て、流星のように広島から現れたのテクノアイドル・グループこそが、広島アクターズ・スクール出身の大本彩乃(のっち)、樫野有香(かしゆか)、西脇綾香(あーちゃん)からなるPerfumeです。伝統あるテクノアイドルとしてトリオというのが、泣かせます。もみじレーベルといういかにもローカルなインディーから『OMAJINAI★ペロリ』(2002年)、『彼氏募集中』(2002年)という2枚のシングルを広島限定リリースします。

スウィートドーナッツ
その後、BEE-HIVE RECORDSに移籍し全国区となり、シングル『スウィートドーナッツ』(2003年)で化けるのです。capsuleの中田ヤスタカにより、Perfumeはテクノポップ・アイドル化を果たすわけです。このシングルでは、ジューシィ・フルーツの「ジェニーはご機嫌ななめ」のカヴァーもしています。

ビタミンドロップ
モノクロームエフェクト
その後も、『モノクロームエフェクト』(2004年)、『ビタミンドロップ』(2004年)とテクノなコンセプトがさらに盛り込まれていきます。

2005年には見事、徳間ジャパンコミュニケーションズからメジャー・デビュー。

リニアモーターガール
第1弾は、『リニアモーターガール』(2005年)は文字通り近未来の世界が目くるめく、テクノポップ。渋谷系的おしゃれ感というかピチカート・ファイヴ的な側面もあるcapusleですが、彼らの根底に流れるのは間違いなくテクノポップ。アイドル向けに作った曲というよりも、これはテクノアイドルが歌うcapusleサウンドです。ハロプロ系、avex系など今までのアイドル歌謡とは一線を画しています。ちなみに、この曲はダフト・パンクの「デジタル・ラブ」と見事に繋がります。

コンピューターシティ
第2弾の『コンピューターシティ』(2006年)も負けずに劣らず素晴らしいテクノポップ。間違いなくテクノポップ。近未来の中に潜む悲哀こそが、テクノポップです。それを理解している中田ヤスタカ仕事をボクは絶賛します。21世紀の記念すべきテクノアイドル・グループはPerfumeです。
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