YMOメンバーのグローバルな活動
このところ、YMO関連リリース予定がめじろおし、そして教授本人も最新作『/04』(2004年)でセルフ・トリビュートをしており、YMOの遺伝子の根深さを再確認するしだいです。また、現在、教授へのトリビュート企画アルバム『music plans skmt tribute』(2005年4月15日発売予定)も進行中です。2月23日リリース予定で、YMOのメンバーが関わった歌謡曲を集めた『イエローマジック歌謡曲』や待望の郷ひろみ、真鍋ちえみ、スーザンなどのYMO関連音源のCD化、そして3月24日にはYMOライヴ音源ボックス『L-R TRAX YMO』も予定されています。80年代、YMOのメンバーは海外アーティストとのコラボレーションを対等にやってきた人たちです。教授の場合、「Pop Muzik」のM名義で知られるロビン・スコットとの『The Arrangement』(1982年)、JAPANのデヴィッド・シルヴィアンとの「戦メリ」ヴォーカル版『禁じられた色彩』(1983年)、「彼女はサイエンス」がヒットしたマッド・サイエンティスト、トーマス・ドルビーとの『Field Work』(1985年)などがあげられます。サンプリングが勃興した80年代中期のある意味での過剰なアレンジに乗せて、トーマス・ドルビーが歌うテクノポップ以上に現在のエレクトロ・シーンにも直結する、時期的にもちょうど美味しいサウンドです。
トーマス・ドルビーは、『English Garden』(1980年)という一枚のアルバムを残したブルース・ウィーリー&ザ・カメラクラブの元メンバー。ブルースは、「ラジオスターの悲劇」の共作者でもあります。トーマス・ドルビーは、M(ロビン・スコット)のサード・アルバム『Famous Last Words』(1982年)にプログラミングとして参加しており、ちょうど、ロビン・スコットが教授とコラボしていた時期に重なります。また、高橋幸宏もこのMのアルバムにドラマーとして参加していたので、推測するに、この辺が縁となったのでしょう。この「Field Work」のPVでは、教授がトーマス・ドルビーに蹴りを入れているのが印象的です。
ホゥカン・リドボーによる『Field Work』
ニューウェイヴ・トリビュート企画アルバム『Fine Time~A Tribute to NEW WAVE』(2004年)でも、パリ在住の半野喜弘が「Field Work」をカヴァーしていますが、日本の先鋭エレクトロ・レーベル、Frogman Recordsの設立10周年記念として、スウェーデンの鬼才、ホゥカン・リドボー(ハカン・リドボーと記載される事もある;Håkan Lidbo)が1月28日に6曲入りミニアルバム『Field Work』(2005年)をドロップ。また、CD購入者には、彼のライヴMP3音源ダウンロードなどのプレゼント企画も予定されています。よりエレクトロにヴォコーダー・ヴォイスで再構築された「Field Work」、YMOファンにも現在のエレクトロ・ファンにもお勧めです。amazon.co.jpにあるCDは、ジャケ写からリンクできます。(amazon.co.jpにない場合、海外のamazonや他の通販サイトへ)
01. Field Work (original)
02. One Kiss
03. Field Work (Thomas Schumacher Remix)
04. Hetroflexible
05. Field Work (KAGAMI Remix)
06. Field Talk
では、今回のリリースを記念して、1月に来日も予定されているホゥカン・リドボーさんにインタヴューしました。インタヴューを読んでいただくと納得いくと思いますが、彼は好奇心旺盛で知的で礼儀正しい魅力溢れる人です。