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Hakan Lidbo氏の教授カヴァー(2ページ目)

1月に来日する、教授とトーマス・ドルビーの名作「Field Work」をエレクトロ・カヴァーしたスウェーデンのホゥカン・リドボー氏にインタヴュー! 大阪近郊で生まれた、Data 80の秘密が明かされる。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

どうして、「Field Work」?

ホゥカン・リドボー氏
――あなたの作品、そして坂本龍一もトーマス・ドルビーも好きな私としては、今回、このようにインタヴューする機会を得られてうれしいです。『Field Work』が日本のレーベルからのあなたの最初のリリースだと思いますが、より多くの日本の音楽ファンがあなたについて知るきっかけとなる事を望みます。なぜ「Field Work」をカヴァーしましたか? ヴォコーダー声とともにさらにエレクトロ化したトラックは、実にすばらしい作品です。オリジナルが発表された時に、リアルタイムで聴いていたのでしょうか?

はい、オリジナルの『Field Work』が発表された時に、それは、私にとってすばらしいインスピレーションでした。人生において私がまだ何をしたかったかを知らなかった、ちょうどアートスクールまたはたぶんジャーナリスト学校に行こうかとか考えていた頃、その歌を聴きました。その歌を聴いたと同じ頃、Yelloの「You Gotta Say Yes To Another Success」、ロビン・スコット、坂本龍一の「Bamboo Houses」などを聴いていましたが、私が音楽を製作したかったことを悟ったきっかけです。

私は、いつもトーマス・ドルビーのプロダクションの大ファンでした。彼の『Flat Earth』や『Aliens Ate My Buick』などのアルバム、そして彼のプロデュースしたプリファブ・スプラウトの作品などが大好きです。坂本は私の大英雄の1人です。もし世界中で私が人生と音楽という点で羨む1人のアーティストがいれば、それは彼だとよく思っています。私が本当に敬服する方法で彼は一つのスタイルからもう一つのスタイルへと動いています。彼が音楽を創る手法は極めて自由に思えます。彼らの両方が共に作ったこの曲は、もちろん私の大の気に入りです。そして、歌詞も、とても雰囲気を醸し出し、すばらしいです。私はとてもよい歌手でないので、主としてヴォコーダー声を使うことに決めました。また、歌詞がとても詩的であるので、声がいくぶん人工的である事で、特殊効果を得られたと思います。

――アルバムには、Thomas SchumacherとKAGAMIによるリミックスが収録されていますが、元々彼らの事を知っていたのですか? リミックスに関しては、特に注文は出さなかったのですか?

はい、以前から彼らの両方を知っていました。KAGAMIはFrogman Recordsからの彼の初期リリースから知っていました。ずっと前からThomas Schumachersのテクノ系作品のファンでもありました。私は、リミックスの方向性に関して、彼らに如何なるヒントも与えませんでした。誰かにリミックスを依頼する時、ほとんどの場合、リミキサーは芸術的な自由をもっていますが、レコード・レーベルがあるスタイルのリミックスに出来るようにリミキサーを選びます。

『Digital Disco』

――Data 80に関しては、「Love Was Made For Two」と「Baby, I Can Forgive」が収録されているForce Tracksからリリースされたレーベル・コンピレーション『Digital Disco』(2002年)で知りました。そして、「Love Was Made For Two」に撃沈されました。コンピ自体はハウス寄りなんですが、この曲はバグルズを思い起こさせました。彼らの事は好きなんでしょうか?

えーっとですね・・・バグルズについては覚えています。彼らのナイーヴな80年代サウンドは好きだと思いますが、正直言ってバグルズの事を15年程考えてもいなかったですね。インスピレーションはどちらかと言えば、ジョルジオ・モロダーの『From Here To Eternity』といったレコードですね。しかし、Data 80の曲にはポップな要素がとても強いという意味では、あなたは正しいですね。このアルバム以前は、それほどポップなものはやっていないのですが、Froce TracksのボスであるAchim Szespanksiと話をした時に、アンダーグランドな音楽対メインストリームな音楽という点から音楽の未来について話し合ったのです。

二人とも、ポップ・ミュージックのメロディーとよりアクセスしやすいサウンドを実験的なテクノからのプロダクション手法に結び合わせる方法があると感じたのです。音楽はいつも変化していき、新しい方法を発見していきますが、単に、その商業的音楽とレコード・レーベルは、勝利のコンセプトを保守しようとするためポップ・ミュージックはしばしば行き詰まります。しかし、私は、リスナーとレコード購入者はメインストリームの音楽の一部にうんざりしていると思います。私は、2005年に生きている人々は2005年へのサウンドトラックのように聞こえる音楽を聴きたいのだろうと思っています。ファッションが最も新しい服で人々に心地よく、トレンディーな感じを抱かせるように、音楽も人々にモダンでいくぶん自分たちだけのためのものを感じさせるように、同じ効果を持つことが出来ると。
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