テクノポップ/アーティストインタヴュー

ガーリーテクノ歌姫~スーザン(3ページ目)

YMO全盛時代、高橋幸宏氏プロデュースでデビューしたマジック・ヴォイスの歌姫、スーザンさんに再発CD『コンプリート・スーザン』の発売を記念して直撃インタヴュー!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

高橋幸宏さんとの出会い

――Disc 1でもあるデビュー・アルバム『Do You Believe In Mazik』(1980年)がスーザンさんを初めて知るきっかけでした。当時、プロデューサーであった高橋幸宏さんの『音楽殺人』(1980年)と交互に聴いていた覚えがあります。この2枚はトーンが近いですね。60年代的モータウン的ポップをルーツにしながらも、凄いサポート陣(高橋幸宏、坂本龍一、細野晴臣、松武秀樹、大村憲司、立花ハジメ、梅林茂、奈良敏博、鈴木慶一、久保田麻琴、岡田徹)でテクノに再構築されたサウンドはとても新鮮でした。高橋さんのプロデュースでアルバムを作ったきっかけは?

アルバムのライナーにも書いたのですが、その当時の幸宏さんのマネージャーだった伊藤さんのおかげです。私はもう渡辺プロではなかったのですが、ある事務所に半年ぐらい所属していて、ハワイでレコードを製作する事が決まっていて、他の人とはやらない予定だったんです。でも、伊藤さんが別のレコード会社にいた頃、一度お話しをしたんです。

その後、伊藤さんはレコード会社を辞めて、幸宏さんのマネージャーになって、プロデュースする女の子を探していたんです。ちょうど私の企画もぽしゃって、事務所も辞めたんです。そして、伊藤さんがお電話を下さって、幸宏さんとお食事をしたんです。

――それで幸宏さんもスーザンさんの事を気に入ったんですね。

不思議な事なんですけど、幸宏さんは私の歌は聴いていない筈なんです。

――お話しただけで決めたと。

幸宏さんに聞いたんです。後でインタヴューで「キラキラしていた。だから、面白いものが出来ると思った」と言ってくださったんです。その日に「一緒に作ろう」と言ってくれたんです。大変な人達だったのに、私はYMOを知らなかったんです。伊藤さんが「決まったら大きな話だ」と言うから私は「分かりました」と。

で、いきなり、武道館の「写楽」に連れて行かれたのです。「なんじゃい、こりゃー」と。その時、シーナ&ザ・ロケットも知ったのです。「何て不良っぽいバンドなの!」って・・・私は芸能界出身ですから。

――シングル『24,000回のKiss c/w Dream Of You』(1980年)はアルバムと同時発売ですね。こちらは加藤和彦さんの作曲ですね。海外では、これのB面だったシングル『Dream Of You c/w Freezing Fish Under The Moonlight』(1981年)をリリースされていますね。海外でリリースされた理由は?

結構、イギリス狙いだったのだと思います。ロンドンへ行くという話しもあったのです。でも、戦争(フォークランド戦争)になっちゃって、二日ぐらい前に取りや止めになったんです。

――フランスでも反響があったとの情報もありますが、どうなんでしょう?

それは聞きました。でも、イギリスも「JAP TECHNO ROCK」というマニアックな雑誌では一位をとったらしいです。

――スーザンさんはフランス人の血も引き継いでいるんですか?

父はアメリカ人ですけど、フランス系アメリカ人なのです。
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