高橋幸宏さんとの出会い
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アルバムのライナーにも書いたのですが、その当時の幸宏さんのマネージャーだった伊藤さんのおかげです。私はもう渡辺プロではなかったのですが、ある事務所に半年ぐらい所属していて、ハワイでレコードを製作する事が決まっていて、他の人とはやらない予定だったんです。でも、伊藤さんが別のレコード会社にいた頃、一度お話しをしたんです。
その後、伊藤さんはレコード会社を辞めて、幸宏さんのマネージャーになって、プロデュースする女の子を探していたんです。ちょうど私の企画もぽしゃって、事務所も辞めたんです。そして、伊藤さんがお電話を下さって、幸宏さんとお食事をしたんです。
――それで幸宏さんもスーザンさんの事を気に入ったんですね。
不思議な事なんですけど、幸宏さんは私の歌は聴いていない筈なんです。
――お話しただけで決めたと。
幸宏さんに聞いたんです。後でインタヴューで「キラキラしていた。だから、面白いものが出来ると思った」と言ってくださったんです。その日に「一緒に作ろう」と言ってくれたんです。大変な人達だったのに、私はYMOを知らなかったんです。伊藤さんが「決まったら大きな話だ」と言うから私は「分かりました」と。
で、いきなり、武道館の「写楽」に連れて行かれたのです。「なんじゃい、こりゃー」と。その時、シーナ&ザ・ロケットも知ったのです。「何て不良っぽいバンドなの!」って・・・私は芸能界出身ですから。
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結構、イギリス狙いだったのだと思います。ロンドンへ行くという話しもあったのです。でも、戦争(フォークランド戦争)になっちゃって、二日ぐらい前に取りや止めになったんです。
――フランスでも反響があったとの情報もありますが、どうなんでしょう?
それは聞きました。でも、イギリスも「JAP TECHNO ROCK」というマニアックな雑誌では一位をとったらしいです。
――スーザンさんはフランス人の血も引き継いでいるんですか?
父はアメリカ人ですけど、フランス系アメリカ人なのです。