テクノポップ/海外のテクノポップ

プロデューサー列伝(D・モーション編)~Part 2 GANGWAYの軌跡(3ページ目)

デヴィッド・モーションがプロデュースしたアーティストの中でも、珠玉のエレアコ・ポップを生み出した北欧の楽天家、ギャングウェイの軌跡を辿ります。高嶋政宏も登場。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

世界制服の野望に燃えるGANGWAY

『Happy Ever After』(1992年) [6th]
01. No Need To Be Afraid
02. You And Yours
03. Didn't I Make You Laugh
04. Once In A While
05. Hey Little Darling
06. Never Say Goodbye
07. Mountain Song
08. Blessed By A Lesser God
09. Manic Days
10. Don't Go
11. The Glad Hatter
12. No Matter What (Recorded Live)
---bonus tracks in Japanese CD---
13. Didn't I Make You Laugh (Remix)
14. Mountain Song (Remix With Illinton)


BGMに移籍し、世界征服を目指すギャングウェイですが、このセルフ・プロデュース作は一部でのみの評価に終わってしまう。ここから、正式には、GANGWAYからGANGwayとなる。微妙な人たちだ。ネオアコ原理主義者には、エレポップ過ぎたり、ハウスに挑戦したり、それほど受けがいいアルバムではないが、名曲「Mountain Song」だけは別格として扱われています。自分的には、アルバム全体としてもとても好きな路線なんですが・・・というかネオアコとかエレポップという様式を超えて、ギャングウェイ・サウンドが根底にあると思うんです。

『Optimism』(1994年) [7th]
01. Endings
02. Everything Seems To Go My Way
03. Steady Income
04. World Of Difference
05. Who's To Blame
06. A Million Words
07. Sycamore Sundays
08. The Weighty Light Brigade
09. Day By Day (Fade Away)
10. Don't Cry
11. Sick Head
12. Overflow
13. Other Endings (Remix By Illinton)
---bonus tracks in Japanese CD---
14. Steady Income (Remix By Illinton)


邦題は「北欧の楽天家」・・・笑いながらも、なるほどと肯く。ヘンリク・ボーリングとリミックスもしているイリントンによるブルデュースによるこのアルバムは、キャッチーなエレポップ炸裂。1曲目なのに「Endings」というタイトルを付けるひねくれた奴らですが、アップテンポな曲で飛ばしてくれます。「Steady Income」なんかは、もうハウス大会。後述するベスト・アルバムで収録されなかったのが不思議なのは、まるでポール・マッカートニーのソロ曲のような超胸キュン「World Of Difference」。そして、涙腺がゆるむ「Who's To Blame」・・・と、特に前半の勢いに吸い込まれます。

『That's Life』(1997年) [8th]
01. Come Back As A Dog
02. Nothing's The Matter
03. Why Do I Miss You
04. Belgian Lovers
05. I Could Be Wrong
06. You Will Say
07. Steady Income [7th]
08. April Fool
09. She Keeps Telling Jokes
10. Never Turn
11. Think Of Spain
12. That's Life
---bonus tracks in Japanese CD---
13. Everything Seems To Go My Way (Illinton Mix)


ギャングウェイのラスト・アルバム。しかし、このジャケは何なんでしょう。宇宙旅行から帰る途中にむち打ち症にでもなったんでしょうか? 裏ジャケは肉体の美学的でもっと笑えます。な、なんと解説は、ギャングウェイ・ファンとして知られる高嶋政宏(兄)。彼がギャングウェイと出会ったのは、『The Quiet Edit+』。プロデューサーのキャスパー・ウィルディング(Kasper Winding)は、デンマーク出身でニュー・ヨークで「Satuarday Night Live」のセッション・ドラマーなんかもしていた人です。帯には「北欧を代表するネオ・アコースティック・グループ、原点回帰の強力最新アルバム」と書いていますが、多少なりとも、エレポップからエレアコへの回帰現象が見られるものの、ネオアコとは言いがたい。出だしの「Come Back As A Dog」から、4曲目の「Belgian Lover」など、相変わらずの美しいメロディーの曲が満載。「Steady Income」は、前作でもやっていますが、違うミックス。
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