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アーティスト・インタヴュー?Part 30 えろきゅん歌人?川上史津子さん(2ページ目)

歌人インタヴュー・シリーズ第2弾! 今回は、『恋する肉体』『えろきゅん』で文字通り"えろきゅん"な世界を詠う舞台女優でもある川上史津子さんに登場いただきました。お子様は読まないでください。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

恋する肉体


五分でもいいの神様あの男性(ひと)を強姦できる腕力(チカラ)を貸して


amazon.co.jpにある書籍は、表紙からリンクできます。
――Amazon.co.jp歌集部門で1位を記録した処女歌集『恋する肉体 koisuru karada』(2002年)に収められた240首の歌はいつ頃から詠まれたものなのでしょうか?

実はモノを書き出して、まだ5年ほどなんです。

――表紙の裸体もご自身ですよね。裏表紙はもっと凄いことになっていますね。

今まで公表はしていなかったのですが・・・、我が尻です(クボヅカ君風に)。撮影は写真家の稲越功一さん、デザインはアートディレクターの榎本了壱さんが手掛けて下さいました。生身の肉体を、敢えてオブジェのように撮って頂きました。

現場では常時スッポンポンで、正面向きバストアップの写真も撮ったのですが、残念ながらお蔵入りになってしまいました~(笑)。

――自称「日本一のエロ短歌女優」と名乗っておられますが、エロが先なんですか、短歌が先なんですか? 質問の意図、分かりますかね? つまり、エロティックな気持ちを表現するために、短歌という手法に行き着いたのか? それとも、短歌を詠んでいるうちに、エロティックな方向に行き着いたのか?

私は舞台女優になりたくて日大芸術学部演劇学科演技コースに進みました。卒業後はナレーションの事務所に所属。CMやドキュメンタリー番組のナレーター、それと並行してアルバイト、派遣社員をしながら小劇場の芝居を続けていました。中でも寺山修司氏の文筆業のブレーンであった高取英氏主宰の「月蝕歌劇団」には、出演および振付で7年間客演させて頂きました。

短歌を詠みはじめたキッカケは、芝居の稽古や公演を終えて帰って来ると、体は疲れているのに、頭が冴えて眠れない。そんなとき、私はピンクローターでマスターベーションをするのですが、そうするとまるで電源を切ったようにカクッ、と良く眠れる。ある日「これって、パソコンの強制終了みたいだなあ・・・」と、気付いたら、それをどうしても言葉にして残しておきたくなったんです。

その事だけを言い切るのに適切な長さの表現方法は無いものだろうか? と考えた末に辿りついたのが、三十一文字の短歌でした。その時に詠んだ歌が・・・


肉の芽に独り性具(せいぐ)を押し当てて果つる"強制終了"の夜


私の胸の真ん中から、初めて飛び出してきた私自身の言葉、それが、今紡いでいる短歌なのです。

――今回、紹介している短歌は、「アダルト・チャネル」(All Aboutのチャネル分類)にならないように、比較的ソフトな短歌を選んでいますが、もっとハードというか直球(又は剛球)の短歌も多いですね。しかしながら、どこか切なかったり、そう"きゅん"なんですよね。やはり、素直な気持ちを表現すると、自然にそうなるのでしょうか?

私は自分の書くものが、いわゆる「エロ」だと思ったことは無いんです。キャッチとして「エロ短歌」と自称していますが、それは一発で覚えてもらいたくてインパクトのある短い言葉を選んだだけで・・・。今にして思えば「エロ短歌」という命名は「両刃の剣」でしたねぇ。

単純に、恋愛と不可分である(川上的に、特に)性愛の場面もキッチリ描きたいなぁ・・・、と。
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