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アーティスト・インタヴュー~Part 29 しょんぼりテクノ・・・時と哲学(4ページ目)

ちょっとしょんぼりしながらも、箱庭的テクノポップ世界を繰り広げる、ひとりでもがんばる謎のバンド・・・時と哲学(通称トキテツ)。トキテツさんからの不審なメールから始まったインタヴュー。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

セカンド・アルバム

およぐチワワ おちるトンボ
――セカンド・アルバム『およぐチワワ おちるトンボ』(2003年)収録の7曲目の「ペーパーミント」は、ファンタジックでおもちゃをひっくり返したようなガーリー・テクノポップとして気に入りました。ファーストと比べると、全体的にテクノポップのフォーマットにこだわらずに、歌謡的ではありますが、実験的な作品も増えている感じがしました。何らかの外部からの影響とかがあったのでしょうか?

セカンドを作るにあたって機材を一新しました。それが影響してると思います。それと大川素子さんの昭和歌謡的な要素を前作よりも深めました。プログラミングのほうはむしろ原点に返って、シーケンサーでしっかり打ち込むことにしました。『ファンホッホ』ではほとんど打ち込みしてませんし。不思議なのですが、僕がしっかりプログラミングするほどテクノっぽくなくなるんです。それと切なさを出すために、音像を思い切ってへなへなにしました。マスタリングのさいに音圧を下げてくれってエンジニアの人に頼んだくらいです。それと、レコーディング中にとある事情で入院しまして、病院のベッドの上で、曲作りしまして、その貴重な経験もアルバムの内容に反映されてると思います。

ペパーミント
シングルも出した「ペパーミント」もベッドの上で出来た曲です。8曲めの「エソラモバカンス」って曲の最後に入っている花火の音は、大阪のPL花火大会をDATで録音したものです。

――このアルバムの発売後、2003年6月21日に吉祥寺スターパインズカフェで行われたOZディスク10周年記念のライヴが、時と哲学としての初ライヴなんですね。ライヴは嫌いなのですか?

初ライヴなのに対バンがスペースポンチやファンタスティック・エクスプロージョンなどで、恵まれてました。ライヴはOZディスクの田口さんが勝手にブッキングしてました。だいたいDJブースがあるイベントなんて見にいったことすらなかったので、場違いな感じでしたね。佐伯誠之助君がいたから大丈夫でしたが。ライブは嫌いというわけではないのですが、ライブとなるとなぜか、うけたいって気持ちがでかくなって、音楽が邪魔になっちゃうんです。曲などせずにコントしたいくらいです。んで気がつけば結成して10年目でやっと初ライヴってことになっちゃいました。あと今まではどうしても生バンドじゃないからっていう抵抗感があったのですが、最近少しづつ開き直れるようになってきました。

高円寺ライヴ
今年(2004年)の7月に高円寺の円盤という店でライヴをしたのですが、その時なんてCDにカラオケ入れて、そのまま流して歌っただけですから。そういうのもアリかなと思うようになりました。でも基本的にはやっぱりライヴは苦手ですね。ねちねち宅録してるほうが好きです。トキテツのライヴは無茶苦茶ゆるいですよ。

――僕自身、関西にこのようなバンドがあった事を不覚にも知らなかったのですが、他の関西のインディーズ・バンドとの交流とかはないのでしょうか?

一時サポートメンバーとして参加してたやらずぶったくりっていうバンドとは仲良いです。友達って関西じゃそのくらいしかいないかもしれない。知り合い少なくて。やらずぶったくりはすごく良いですよ。OZディスクからアルバム出てます。よかったら聴いてみてください。

ちなみにファンホッホ収録の「僕の棲む庭」とおよぐチワワおちるトンボ収録の「0点」はやらずぶったくりの北岡英樹さんの作詞作曲です。あとは、今年の初めに、佐伯誠之助氏のライヴに飛び入り参加して、えらい恥をかきました(ノーギャラだったのに)。
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