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アーティスト・インタヴュー~Part 29 しょんぼりテクノ・・・時と哲学(2ページ目)

ちょっとしょんぼりしながらも、箱庭的テクノポップ世界を繰り広げる、ひとりでもがんばる謎のバンド・・・時と哲学(通称トキテツ)。トキテツさんからの不審なメールから始まったインタヴュー。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

時と哲学の成立ち

あっちゃんとデュオ
――時と哲学は一応バンドと言い張っておられるんですよね。時夫さん以外の現在のメンバーは、どのようにして集まったのですか?

メンバーってもいわゆるミュージシャン志望なメンバーは一人もいないです。ボーカルのあっちゃんは高校の同級生で、歌の歌える田舎者を探してたら、ちょうど暇そうにしてたので騙して誘いました。まったくの素人さんです。保育士を目指してます。ほかのメンバーも、録音のたびに召集するって感じで、結成10年たつのですがいまだ不定形です。ただ、自分が高校のころ田舎でしょぼいコピーバンドやってたなごりで、今だユニットってよりバンドに憧れがあるためにバンドと意地で言い張ってます。しょぼいコピーバンドと書きましたが、今のほうがよっぽどしょぼい音楽してますね。もちろん確信犯ですが。

あとメンバーではないのですが、ベターマンという名義で、大阪で一人でフォークをやってる石本ひろのぶって男にギターやベースは弾いてもらってます。レーベルの主催者である大川素子さんとは4年ほどまえに、あるバンドのサポートをお互いしていてそこで出会いました。それでデモテープをわたしたら気に入ってくれて、それからトキテツにも参加してもらってます。アコーディオンを弾いてもらったりボーカルでも参加してもらってます。いまのところメンバーは4~5人くらいでしょうか?でも制作はほとんど一人で孤独にやってます。バンドは意地です。

――時と哲学という名前の由来をもっともらしく語ってください。メンバーや周りの人たちから、改名するように言われなかったのでしょうか? 「もっとキャッチーなのにしろ」とか?

高校のころにつけた名前で、当時はそんなに硬い名前だとは思ってなくて、むしろふざけてたつもりでしたが、しょせん田舎のオタクセンスでした。恥ずかしいかぎりです。もっともらしくもクソも、つけた当時は一番もっともらしくない名前にしようとつけたバンド名なのでなにも語れやしねぇ。すいませんです。それで何度も改名したいと自分では思っていたのですが、ずるずる10年たってしまいました。まわりからは、不思議と、バンド名はそのままのほうが良いと言われてきました。本当は「○○○オシレーター」的な名前のほうが良かったんでしょうね。千葉レーダみたいな(困)。昔とあるオーディションで元モダチョキの矢倉さんからバンド名にオリジナリティないと怒られたことがあってちょっとトラウマです。「時の徘徊」とかと、かぶってたからだろうか? むしろそれから意地になってこの名前を使ってますね。なんか意地になってばかりですね。

カセット全集
――結成した1993年(実質1996年ですかね)から2001年までは、所謂宅録的な活動を延々と続けていたんですよね。カセットでのリリースが主体だったようですが、何枚リリースしたんですか? 大体、1リリース当り何枚くらい売れるものなのでしょう?

高校のころはまったく音楽的ではなくて、森高千里のカラオケをただ自分が歌ってるだけの作品とか、自作コントのテープとかを大量に作ってましたが、大阪に出てきて、少し機材をそろえて曲を作るようになってからは、6年間(1996~2001)で、だいたい30分くらいの作品で、12タイトルつくりました。未発表もいれるともう少しありますが、発表した作品も、微発表って感じで、1タイトルにつき10~30本くらいしか作ってません。ダビングも少し高級なカセットデッキを買って、自分でダビングしてました。大阪のタイムボムや、東京のタコシェなどでほとんど誰の目にもとまらずひっそり売られてました。いくらくらい売れたのかは自分でもわかりません。今でもさがしたら売ってるかもしれません。その当時の音源は、ボックスセットカセット12本組で去年、ミートムーンから復刻版として再リリースしましたが、それも超限定品だったので今は入手困難だと思います。
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