テクノポップ/アーティストインタヴュー

There She Goes Again~戸田誠司さん(6ページ目)

DVD『There She Goes Again』を9月22日にリリースする戸田誠司さんに再びインタヴュー! アルバムより多い16曲、こだわりの映像は必見です。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

Yapoos

――先日の池袋手刀でのヤプーズ・ライヴを見せていただきました。あんな人口密度の高いライヴは、初めてでした。往年のヤプーズの曲も当然、いいのですが、披露された新しい新曲もかなり期待しています。ヤプーズに戸田さんが参加された経緯とは?

中原(信雄)君と友達だから。僕は、ライヴ・ヤプーズという気持ちなんです。昔、ゲストでライヴに参加した流れで。どんな形でレコーディングに参加するかは決まってませんが。

There She Goes

――では、本題とも言える、今回、リリースされるニュー・ソロ・アルバム『There She Goes』について。フェアチャイルドや前回のソロの延長線上というより、Shi-Shonenがテクノからエレクトロニカになった・・・でも、それは当然の帰結と言える、全く不自然さがない作風ではないかと思います。如何でしょうか?

制作に入る前は、もっと素直にエレクトロニカ路線に行くのかと思ったんですが、やり出すと、いつものようにコンセプトは忘れてる。で、ずれる。もしからしたら外してしまう、もしからしたら一番今かもしれない。実はホームページで言っている、エレクトロニカ・ソフトロックのソフトロックは、終わった時に気がついた。作っている時は、分かんなかったんですね。(鈴木)慶一さんに言われた。

――コンセプトが無くなったから、戸田さんの本質的な部分が自然に出たのでしょうかね?

そうかもしれないですね。でも「本質的」と呼べるほどの音楽ルーツを僕が持っているかどうかは疑問ですけど、「戸田さんぽいなぁ」と言われたとき、「どこが?」と聞くと、「せつないんですよ」と答えられた。意外に本質はそんなもんかもしれないです。まぁ実際のところ、納得がいくアルバムができない限りは。発売するのを延期するかやめようとずっと考えていたので、ここまで来れたのは僕にとっては奇跡ですよ。

――意外性もあるんだけれでも、本質的に求めているものも備えている。例えば、出だしの「Clock Works」から、もう、完全にノックアウトです。鈴木さえ子さんがコーラスで参加した2曲目の「So I'm In Love」でさらに涙。RCサクセションの「スロー・バラード」のカヴァーは最初、意外な感じがしたんですが、聴いてみるとなるほど、ちゃんと繋がっていると感じました。この選曲は、どのような理由で?

僕は、「スロー・バラード」の詞がとても好きで、意味合いも今回のアルバムに共通するものだった。好きな曲は一度は自分のサウンドで作りたくなるもんです。

――今後のライヴなどの予定があれば教えてください。

軽い気持ちで作り出したんだけど、もしからしたら、僕というアーティストの代表作かなという気持ちになっちゃったんです。だから、もっと聴いて欲しいのがあって、そのためにはライヴをしなくてはと。でも、ライヴ苦手なんですよね。この前、さえちゃん(鈴木さえ子)とも話していて、さえちゃんもライヴ好きじゃないんで、どうして「ライヴやってやって」というのか不思議だねと言っていたんですよ。

――やりたがらないから、反って見たくなる。XTCのライヴは見たいとかの感じで。

なるほどね。

テープを聴いて文字起こしをしながら、再度思ったんですが、とてもフランクに話していただき、爆笑している場面が多かったです。凄く楽しい思い出残るインタヴューとなりました。それから、aten recordingsのKさんにも感謝!

There She Goes(戸田誠司さんの公式サイト)
aten recordings
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