【ダブ・ディスコ系】
最後にディスコパンク系の中でも、トレヴァー・ジャクソン系列とも言えるダブ・ディスコ要素が強いコンピを中心に紹介。
『DJ Kicks』(2002年)
ディスコパンクの元祖的存在、トレヴァー・ジャクソンことPlaygroupのミックス・アルバム。エレクトロクラッシュ的側面とディスコパンク的側面を備えた、ひねくれた渋い内容です。ポストパンク的ファンクやダブが進化したエレクトロ。The Raptureの「House Of Jealous Lovers」も収録。
『Channel 2』(2003年)
アート・スクール出身のデザイナーでもあるトレヴァー・ジャクソンのいぶし銀のようなレーベル、Outputのコンピ(ジャケは日本盤)です。全体的には、ポストパンク色が強いが、4曲目のBlackstrobeなんかは、New Orderっぽいエレクトロクラッシュ系フレンチ・ユニット。
『Body Music』(2003年)
なんとなくセクシー★ジャケ。Andy MeechamとDean Meredithからなるかなり芸歴の長いDJでもあるChicken Lipsのミックス・アルバムです。Chicken Lipsとしては1曲、そして彼らがリミックスしたPlaygroupの曲を収録。サウンド的にはPlaygroupとかに近いのディスコパンク的ダブ・ハウス。
『How To Kill The DJ (part one)』(2003年)
Le Pulpとうパリのクラブを舞台にしたオムニバス。ここは、元々はレズビアン系クラブだったらしい。だから、先端的なんでしょう。内容は、ディスコパンクやダブ・ディスコっぽいのもありますが、解説者を困らせる、ひねくれた内容。あえて言えば、裏エレクトロクラッシュ的。ミニストリーとかソフトセルのスペシャル・エディットとかも収録。Queen Of Japanは下世話でよろしい。
ニューウェイヴの時代、UKニューウェイヴと言うくらいで、イギリスが牽引していったムーヴメントと捉えられますが、エレクトロクラッシュ~ディスコパンクのシーンでは、NYCを核としたアメリカが震源地になっています。これは、80年代イギリスにおけるサッチャー政権下におけるニューウェイヴと9.11以降のブッシュ政権下におけるエレクトロクラッシュと対比できます。所謂、保守化する社会の反動としてのポップ・カルチャーと思ってしまうのは、僕の考えすぎなのだろうか。ちなみに次号の「GROOVE」誌では、エレクトロ特集が予定されています。21世紀のエレクトロとしてエレクトロクラッシュについて、こちらでも記事を書いておりますのでよろしく。
◆GROOVE
【関連サイト】
◆エレクトロクラッシュとは?
◆マドンナとノートン皇帝
◆エレクトロクラッシュ・ギャルズ
◆ DJ HELLのジゴロ~第1回
◆ DJ HELLのジゴロ~第2回
◆ノイエ・ドイチェ・ヴェレ
◆元祖!変態ディスコ
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。