テクノポップ/YMO関連

YMOの遺伝子~第5回(3ページ目)

『UC YMO』も出たことなんで、YMOの遺伝子を再開。歴史的作品を振り返りつつ、YMOのカヴァーをご紹介。第5回は、歌謡曲の皮を被ったテクノ『浮気なぼくら』から「君に、胸キュン。」大会。COILもカヴァー。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

以前紹介しましたが、再登場。Cyber Trans Dollsは、「キミに胸キュン」としてミニ・アルバム『TRANS POP』(2001年)でカヴァー。「トランス界から飛び出したネオ・ポップ・アイドル」というコンセプトの下、『YMO Trance - A Musical Tribute』より早かったYMOトランス・カヴァー(でもユーロっぽい)。「キミに胸キュン」も収録。2002年11月にCyber Trans Dollsは、抜本的なメンバーチェンジ行い、ユニット名をC・T・D~brand new~と改名。すげぇ。

ネオアコ的ポップ4人組(男1女3)、サイクルズがシングル・リリースした『君に、胸キュン。』(2001年)。 結果として「君に、胸キュン。」は、「Cosmic Surfin'」「Rydeen」と並ぶほどのカヴァー人気曲となりました。次は、カヴァーするのは誰か?

それは、COILでした。COILは、岡本定義と佐藤洋介からなるインディーポップ系宅録ユニット。彼らの8月に発売されたシングル『Loveless』(2003年)に「君に、胸キュン。」を収録。間奏部で「Multiplies」が隠し味的に使われている(と僕には聴こえる)、ここ数年に出た「胸キュン」カヴァーとしては、ベストです。タイトルの「Loveless」も、COILとしてはかなりエレポップ色が強い佳作。元ちとせのデビュー・シングル『ワダツミの木』に収録された「幻の月」を提供していますが、自らセルフ・カヴァー。9月3日発売のアルバム『Love』にも期待。くるりの次はCOILか?

『浮気なぼくら』から2ヶ月後の1983年7月27日にリリースされたアルバム『浮気なぼくら(インストゥルメンタル)』です。オリコンでは、18位まで行ったので、この手のアルバムとして健闘と言えるでしょう。前回の東芝EMIからの再発では単独リリースでしたが、今回のソニーからは『浮気なぼくら』とセット販売。『君に、胸キュン。』の代わりに、シングル『君に、胸キュン。』のB面だった『Chaos Panic』のインスト、そして『浮気なぼくら』では、さわりだけだった『以心電信』のインストのフル・ヴァージョンが収録されています。

01. CHAOS PANIC
02. 希望の路
03. FOCUS
04. 邂逅
05. 希望の河
06. 以心電信
07. LOTUS LOVE
08. 音楽
09. LOTUS LOVE
10. WILD AMBITIONS


『浮気なぼくら(インストゥルメンタル)』と同時発売されたのが、さらに歌謡度がアップしたシングル『過激な淑女』。中森明菜向けに書いたけど没になってYMOが自分でやっちゃうという展開が楽しい。振り付けはさらに楽しい。あ~楽しい。オリジナル・アルバムには未収録。

YMOのカヴァーを完全網羅するまで、この記事は続く予定。

【関連リンク】
『YMOの遺伝子~第1回』
『YMOの遺伝子~第2回』
『YMOの遺伝子~第3回』
『YMOの遺伝子~第4回』
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