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レーベル研究~Part 2 Factory~ポストモダン工場(2ページ目)

日本でも公開中の映画『24アワー・パーティ・ピープル』で再評価されている、ポストパンク&ポストモダン的レーベル、Factoryを特集。ピーター・サヴィル展も収録。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

映画『24アワー・パーティ・ピープル』

映画『24アワー・パーティ・ピープル』は、イギリスでは2002年4月に公開。約1年後、やっと日本でも東京のシネセゾン渋谷で3月22日から公開されています。大阪 テアトル梅田、名古屋 センチュリーシネマ(4月5日より)、福岡 KBCシネマ、札幌シアターキノ、京都みなみ会館、シネ・リーブル神戸、小倉シネシティ有楽で順次公開予定です。

映画の見所は随所にあります。
■42人しか集まらなかったマンチェスターでのセックス・ピストルズのライヴ。これを引き合いに出して、僕はこの前DJを含めて10人以下だったイヴェントを行った吉野君を励ましています。

■「会社はなにも所有しない。すべてはアーティストに帰属し、好きなときに去ることができる」という血染めの契約。特に契約社会の典型である西欧社会におけるこの無謀な契約には拍手喝さい。

■イアン・カーティスの自殺。ちょうどこの後から、トニー・ウィルソンの髪が短くなるんです。

■ポストモダンの理想の楽園、ハシエンダ。トニー・ウィルソンは何かというとポストモダンにこだわるキザな奴。

こんな馬鹿で才能のある奴らが偶然にも集まってしまった、Factoryレコードの素晴らしさを堪能してください。商業的には敗北してしまったが、文化的には勝利したレーベルとして音楽史に残るでしょう。

こちらは映画の脚本を元にした、トニー・ウィルソン著・江口研一訳の本『24アワー・パーティ・ピープル』。巻末には、FAC 1(映画にも出てくるピーター・サヴィルの宣伝ポスター)からFAC 451(1999年5月に放映されたグラナダTVによる「ハシエンダの歴史」のドキュメンタリー番組)に至るFactoryの仕事が掲載されており、栞もピーター・サヴィルのデザインを元に作ってあり、こだわりが感じられます。

こちらは、オリジナルの英語版『24 Hour Party People: What the Sleeve Notes Never Tell You』です。表紙は、FAC 1の色違いデザインが使われています。

海外版としては既にヴィデオもリリースされています。日本盤DVD発売の予定もあるようです。

ポール・スミス製のFAC 51(つまりハシエンダ)のTシャツが、映画館およびポール・スミス・ショップで買えます。白と黒の2色、他2種類のデザインがあります。ポール・スミス本人もハシエンダが好きだったらしい。
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