1991年に中上雅己とのデュエットでシングル『NIGHT-CLUBBING』をリリース。肉体の美学、グレース・ジョーンズの『NIGHT CLUBBING』に影響されたのでしょうか? 80年代には、スネークマン・ショーの『ごきげんいかが1・2・3』、宮崎美子の『だからDESIRE』といったエレクトロをルーツにしたラップ歌謡がありましたが、その延長線上にある『NIGHT-CLUBBING』。ヴォコーダー声もいけてます。
1994年には、スチャダラパーfeaturing小沢健二の『今夜はブギー・バック』やEAST END X YURIの『DA.YO.NE』がラップ歌謡としてチャート・インするわけですが、時代よりも少し早かった感があります。カップリングの『太陽も花も木も』は、深津絵里のソロですが、タイトル曲と共に深田恭子作品にも関わっている寺田創一の力量が発揮されています。
中上雅己って誰なんだ?との疑問に答えます。彼はテレビ東京のドラマ「ハイスール大脱走」で深津絵里と共演し、『NIGHT-CLUBBING』はその挿入歌でした。いいとも青年隊の6代目。ウルトラマンガイアにも出演していました。分かりやすく言うと、山瀬まみのだんな。
1992年には、『ひとりずつのふたり c/w 花嫁』そして『愛はすてき・愛は花束 c/w 長い髪の女の子なら』をリリース。それらの曲を収録した彼女のセカンドかつラスト・アルバムが、『sourire(スリール)』(1992年)です。
01. ひとりずつのふたり
02. sourire
03. 長い髪の女の子なら
04. 彼女のダンスを見にいこう
05. 神様お願い
06. 愛はすてき・愛は花束
07. かがやき
08. あなたは分かってる
09. 北風のキャンプ
10. サヨナラの夕日
11. 花嫁
もともと、歌手・深津絵里に興味を頂いたのは、『歌姫2001』を読もう!の記事でも紹介した松本亀吉著の『歌姫2001』であります。松本亀吉も超オススメの『愛はすてき・愛は花束』は、山本リンダの作詞そして当時、電気グルーヴに在籍したCMJKの作曲・編曲のハウス志向も取り入れたエレクトロ歌謡の名作です。いわゆるアイドル歌謡と一線を画している、冒険する深津絵里が堪能できるはずです。
『神様お願い』は、ハバナエキゾチカの曲のカヴァーでアルバム『踊ってばかりの国』(1991年)に収録されていたものです。ラストの『花嫁』は、はしだのりひことクライマックスのカヴァーですが、オリジナルのフォーク調からお洒落度がアップしたアレンジで、割と凡庸な『FOLK SONGS』をやっているハロプロの方にも見習って欲しいものです。
その後、深津絵里は1997年に『またまた・マザー・グース』という企画オムニバス・アルバムで『蜂さん蜂さん』を歌いましが、歌手としては活動停止の状態となり、「踊る大捜査線」 (恩田すみれの「サファイヤ・キック」を知らない僕は、桜木星子さんにオヤジ呼ばわりされています。桜木さんはサファイヤ・キックが得意らしい)はじめとした、TVドラマや映画での活躍が主体となります。声もいい、キャラもいい、冒険も出来る、歌手としての侮れない深津絵里をぜひもう一度、開花させてください。大女優は、歌手として大成せずなのだろうか?
「侮れない○○○○」、今後シリーズ化を検討していきたいと思います。
【関連リンク】
◆『侮れない深田恭子』
◆『戸川京子さんが残した作品』
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