トレヴァー・ホーンへのインタヴュー記事によりますと、A&RマンのMartin Kierszenbaumが、トレヴァーにロシア語ヴァージョンのCDとヴィデオを紹介したのがきっかけらしいです。トレヴァーは、ユーリャとレーナについて「いたずらで、可笑しい、けどパワフルだ」との印象を持っているようです。
さすがに、英語があまりしゃべれない二人(レーナの方が少しましみたいです)との作業は大変だったみたいです。英語化の際、一番の問題は、英語よりもロシア語は、語尾変化が激しく、ヴァリエーションの多い子音が重要な役割を果たすことだったようです。確かに、オリジナルのロシア語にあった発声から来るグルーヴ感を英語で保つことは、物理的に無理だったのでしょう。
トレヴァーは、サウンドについてはちょっとプロパンガンダ(自らがプロデュースしたドイツのデカダンなエレポップ・バンド)のようだと言っています。成功の度合いを考えると、アメリカより西ヨーロッパに軍配があがりそうです。イタリア、スペインでは『All The Things Said』は、シングル・チャート一位になりました。
01. Not Gonna Get Us
02. All The Things She Said
03. Show Me Love
04. 30 Minutes
05. How Soon Is Now?
06. Clowns (Can You See Me Now?)
07. Malchik Gay
08. Stars
09. Ya Shosla S Uma(ロシア語「All The Things She Said」)
10. Nas ne Dagoniat(ロシア語「Not Gonna Get Us」)
11. Show Me Love [Extended Version]
12. Behind-The-Scenes With Julia And Lena (Part 2) And "All The Things She Said" Music Video
ヨーロッパでは9月にリリースされたデビュー・アルバム『200 Km/H IN THE WRONG LANE』は、何故かアメリカでは12月まで発売がずれ込みました。 8曲の英語トラックに内、7曲はオリジナルのロシア語アルバムの英語ヴァージョン曲です。トレヴァー・ホーンがプロデューサーとしてクレジットされているのは、1、2、6、9、10曲目(他は、Martin Kierszenbaum & Robert Orton)。ロシア語ヴァージョンも録音し直したみたいです(でも、アレンジはほとんど同じ)。今回収録されなかった『Robot』と『Simple Moves』(衝撃のプロモ・ヴィデオを付けて)の英語ヴァージョンも希望。
5曲目は、ロシア語ヴァージョンにはない、モリッシーの『How Soon Is Now?』のカヴァーです。やはり、ゲイつながりと言うことでプロデューサーが選曲したんでしょうかね。The Smithsファンに受けるかは疑問ですが、個人的にはこの手の意外感のあるカヴァーは好きですね。次は、Soft Cell、Bronski Beat、Communards、Frankie Goes To Hollywood、Pet Shop Boys、Erasureなどのカヴァーをお願いします。
こちらは、Universal Island Recordsからリリースの『200 Km/H IN THE WRONG LANE (THE PROMO ALBUM)』で、英語版のヨーロッパ向けのヴァージョンみたいですが、何故か「THE PROMO ALBUM」となっている。トラックは英語ヴァージョン7曲で『All The Things She Said』のヴィデオ・クリップが2ヴァージョン収録。他、ロシアのUniversalからもジャケ違いで英語版CDがリリースされています。