テクノポップ/アーティストインタヴュー

いまさらイスラエル~第4版(8ページ目)

札幌で80年代から活動する伝説のポエトリー・テクノポップ・バンド、いまさらイスラエル。怒涛のリリース第3弾『Jose in Paris, Jose in the desert』では、摩訶不思議な世界がニッキ・ニャッキ・ニョッキ。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

〔吉野〕 話はそれますが、「タピエス・ビューティフル」のライナーで「水中 それは苦しい」の竹内さんが書かれておられた通り、カセットテープのやりとりなどで、当時すでに各地方で、音楽ファン同士の交流はあったこと。そして、それが、結果的に、良心的な音楽シーンの発展になったことを考えると、今日、あまり過度にネットでの音源交換を取り締まり過ぎるのも「角を溜めて牛を殺す」ものかも、と思います。

〔三島〕 それは言えるかもしれませんね。違う場所にいるとつまらない人間関係みたいなものが捨象されるので、純粋に評価できるといえるし、また逆に思い込みも持てる可能 性があるでしょう。仙台の伊藤君たちも内部ではいろいろあったかもしれませんが、札幌に遊びに来てくれたときは楽しそうでした。私のことを、「青空のような人だ。」なんて言ったりして、そうなんだ!なんて思いました。

〔吉野〕 さて、話題はもどして、先にも触れましたが、イスラエルの場合、テープにブックレットが付いてましたよね。カセットの装幀も美しい画だった記憶があります。これ、結構、手間暇かかったと思うのですが、どうでしょう。カセットだって、何分もかけてダビングするんですよね。

〔三島〕 趣味ですね。当時10本ずつ位作ってレコード屋さんにおろしてましたが、毎回違う装丁でした。通販もいろいろですね。手作りだから同じものを作る方が難しいともいえます。たしかによく出来たこともありました。何種類作ったか忘れたけどね。

〔吉野〕 また、私が何回か、出演させて頂いたイベントでも会場(主に札幌ベッシーホール)が黒百合会(北大美術部)のスタッフによるインスタレーションの発表も兼ねていた記憶があります。

〔三島〕 んー、黒百合会私も入ってたので当時の様子はよくわかるんですが、当時は昔ながらの大学生みたいな感じですね。黒百合といえばセンスない、ださいって感じでしたよ。まあ自分がそうだったからなんでしょうけど!なんかイケテナかったですね。その後どうにかなったのかな。誰がやってたのかな? 今でも札幌の美術活動は盛んですね。もちろん大学に限らず、いろんな人がいると思います。

〔吉野〕 そういえば、LINXの神山さんは、美術館で個展も行ってましたし、今日でもZONE-R.P.というサイトで美術作品を発表しつづけていますね。(ジャケ写は、神山さんがLINX解散後、1989年にリリースした自筆・自装ソロ・カセット『The 12 Days Of Christmas』)

〔三島〕 そうですね。私も見ましたよ。サイト。がんばってますねー。

〔吉野〕 そして、先ほど触れた、NISHINの歌詞、そしてアルバムのデザインもリーダーの吉田さん自身のものですし・・・。

〔三島〕 私は残念ながら、NISHINの歌詞はあまりかってないんです。亡くなった人の悪口言うわけじゃなくて、批評的に考えてもこれしか考えつかなかったんだろうな、もう少しどうにかならないのかなと、当時から思ってましたね。歌詞書かせてくれないかって吉田さんに言ったかなー。本気で考えてたんだけど、一回しか会ってないからなー。その意味では残念な作品でもあるんです。傑作であることには変わりないですけどね。
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