テクノポップ/海外のテクノポップ

Тату~ロシアより愛をこめて(2ページ目)

ロシア・東欧諸国では大ブレイク中の、ロシアのテクノ・ロリータ・デュオ、Тату(タトゥー)を大PUSH! 二人は友達以上の関係(?)。新作は、トレヴァー・ホーン先生がプロデュースとか。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

このイワン・シャポヴァーロフという人物、詳細はわかりませんが、さしずめ、ロシアのマルコム・マクラーレン(Malcolm McLaren)のようです。タトゥー以前は、音楽ビジネスを生業としていなかった、児童心理学者(Saratov Medical Instituteを1988年に卒業)から転向したTVコマーシャルなどを製作するアドヴァタイジングの権威との事。なんだか、益々あやしいですが、とにかく策士、戦略家のようです。

2000年11月にシングル『Я сошла с ума』を、物議をかもすプロモ・ヴィデオと共にリリース。タイトルの意味は、英語で「I've Lost My Mind」、日本語で「あたし、おかしくなっちゃた」。ヴィデオは、tatugirls(#1のクリップ)で見てもらうと大体のイメージがつかめると思いますが、三角関係に揺れる女子高生同士の同性愛を歌ったものです。本人達も「私達、お互いに友達以上の関係を感じるの」と言ったりしています。「結婚式をあげた」という記事もあったりしますが、実のところ、どうなんでしょうね。Frankie Goes To Hollywood(清涼飲料水のTVコマーシャルに使われていますね)やBOW WOW WOWのデビューのパターンを感じさせます。

Я сошла с ума (I've Lost My Mind)(2000年)
01. Я сошла с ума
02. Я сошла с ума - DJ Ram Remix
03. Я сошла с ума - С. Галоян (S. Galoyan) Remix
04. Я сошла с ума - DJ Ram Remix
05. Я сошла с ума – HarDrum Remix
06. Я сошла с ума – Video
07. Я сошла с ума – Video Remix

このプロモ・ヴィデオは、プロデューサーでもあるイワン・シャポヴァーロフによる監督作品で、TVコマーシャルが本業だけあって、女子高生制服のコスチュームをタトゥーのアイコンとして巧みに使い、退廃的かつ挑発的な意図をもって製作がされています。チェックのタイと短めのスカートの制服は、ロシアでは一般的なものなんでしょうかね? 結構、日本人好みの制服なんではと思ったりします。なお、写真左のユーリャの眉毛は剃られてしまいました。

MTVロシアでは、2ヶ月間トップ10に入るマーケティング成功を果たしています。2001年のMTVヴィデオ・ミュージック・アワード(ロシア部門)に輝いています。ちなみに、日本部門は、宇多田ヒカルの『Can You Keep A Secret?』です。前述のシングルに収録のヴィデオ・クリップのリミックス版もあります。サウンドについては、「ロシアはこんなに進んでいたんだ」と驚かされるリフレインが効果的な退廃的メロディアス・ロリータ・テクノ。

この成功でもって、めでたくUniversal Music Russiaと契約。第2弾プロモ・ヴィデオは『Нас не догонят』。英語訳が「They're Not Gonna Get Us」(日本語は「あたしらは捕まらない」って感じ)。このクリップは、Universal Music RussiaのТату(MUSICにクリップがある)で見れますが、雪の中、大型トラック(おいおい、君たち大型トラック免許もってるのかい?)で疾走し、悲劇的な結末が待っているといったイメージで、さらなるブームを引き起こします。う~ん、このイワン・シャポヴァーロフの撮った映画を見てみたいものです。サウンドも二人のヴォーカルがより生かされた、ある意味でのパンク・テクノ! この曲は、アメリカ進出の第1弾のシングルになる可能性大です。
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