また、Taxi Girlのようなパリのトンガリキッズは、モダンな男達という意味のGARCONS MODERNES、KaS Productのようなよりダークなものは、COLD WAVEと呼ばれていました。前述のNOUVEAUX YEYESも含めたフランスのニューウェイヴを総称して、NOVOという呼称も使われていました。ちなみに、Taxi GirlのMirwais Ahmadzaiは、とてもテクノなMadonnaの最新アルバム『MUSIC』のプロデューサーとして、William Orbitと共に起用されています。
レーベルとしては、Celluloid(Elli et Jacno、Mathermatiques Modernes、Modern Guy等)やパリとニューヨークを結んだZE(Casino Music、Lizzy Mericier Decloux等)のアーティストも、このNOVOの重要レーベルです。
興味深いのは、多くのバンドが日本に強く影響されていた事です。Mikado(帝)、Rita Mitsouko(香水の名前?)、Tokow Boys(東京から来たカウボーイズ)、Takenoko(竹の子族から)等のバンド名。Taxi Girlのファースト・アルバムは『切腹』、Etienne Dahoのアルバム『Pop Satori』、Marie & Les Garconsの曲『東京/北京』、Mathermatiques Modernesのシングル『Paris Tokyo』、Metal Boys(メタル系ではない)のシングル『Tokyo Airport』、Polyphonic Sizeのシングル『Hiroshima Mon Amour c/w Kyoto』等。
話をLioに戻しますが、France GallやJane Birkin等、のフレンチポップ・女性シンガーは日本で今も人気がありますが、テクノ世代から登場したLioももっと再評価されるべきだと思います。
今回MAD FRENCH LABELからリリースされた『恋はAMI AMI~リオ・ベスト』には、タイトル曲となった『恋はAMI AMI』、デビュー曲『Le Banana Split』、『Amoureux Solitaries』等のヒット曲と未CD化曲を加えた全21曲が収録されています。このレーベルからは、先にサエキけんぞうの『マッドフレンチジャパニーズ』もリリースされており、今後フレンチな展開を期待したいと思います。
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