ビートルズにも多大な影響
1920年インド生まれのラヴィ・シャンカルは、インド古典音楽を学んでいる。しかし、保守的で、閉鎖的ともいわれるインド古典音楽の伝統から脱却しようという強い意志も持っていて、西洋音楽を貪欲に吸収していたといわれている。荘厳、厳粛に演奏するものだったシタールに、激しく派手な奏法を取り入れ、伝統的なインド音楽に革命をもたらしたのが彼なのだ。
ラヴィ・シャンカルは、いわゆる西洋音楽、ポップスやロックのミュージシャンとも積極的に交流を持ったことでも知られている。その中でもっとも有名なのが、ビートルズだ。ビートルズはその後期、インド音楽の影響を強く受けていたが、それはこのラヴィ・シャンカルからの影響なのだ。
ビートルズには様々な伝説があって、ときにはどれが真実かわからないこともある。インド音楽に傾倒した理由についても諸説あるのだが、映画『Help!』の撮影のときにシタールを手にしたジョージ・ハリスンがその魅力に取りつかれたとか、たまたまラヴィ・シャンカルの演奏を見たのがきっかけといった説が有力だ。いずれにせよ、ビートルズの4人はインド音楽に興味を持ち、とくにジョージ・ハリスンはラヴィ・シャンカルに師事しただけでなく、インドの思想や哲学、東洋的な文化にも強く影響を受けたという。
インド色の濃い「トゥモロー・ネバー・ノウズ」収録の『リボルバー』 |
ラヴィ・シャンカルの熱いシタールが聴ける『Homage To Mahatma Gandhi』 |
【関連リンク】
ラヴィ・シャンカル公式サイト(英語)
ノラ・ジョーンズ公式サイト(英語)