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日本を愛した外国人のジャパニーズソウル(3ページ目)

話題沸騰の「史上初の黒人演歌歌手」ジェロを筆頭に、日本を愛した外国人の「愛情表現」を3つ、御紹介します。

執筆者:常木 晴亮

日本を愛しニホンゴで歌った外国人の、元祖

バートン・クレーン作品集~今甦るコミック・ソングの元祖~
『バートン・クレーン作品集~今甦るコミック・ソングの元祖~』
2006年1月23日発売と、そんなに古いものではないのですがインディーズ発売な為か既に品薄になりつつあるようです。資料的な価値も大きな1枚ですので入手困難になってしまわないうちに、ゼヒ
バートン・クレーンは1901年生まれ(1963年没)のアメリカ人。ジャーナリストとして在日中にカタコトの日本語の歌を宴席で披露していたのがレコード会社の目にとまりデビュー。そのデビュー曲「酒が飲みたい」が大ヒット~そんな経歴をもつ人です。

私はゴンチチのラジオ番組でこの人の歌が紹介されているのを聴いて衝撃を受けましたが、その録音物がこんなにあるということは全く知りませんでした。ちょっと可笑しな歌詞をJIVEな楽曲でスウィングさせる感触はSlim Gaillard※に通ずるものがあります。

※ Slim Gaillard (1916~1991)
JIVEという文章化しにくいジャンルを代表するミュージシャンで、レパートリーには「Gomen Nasai」なんて曲も有り(コチラで聴けます)。吾妻光良(関連記事はコチラ)やバンバンバザールのルーツのひとつでもあります


そしてこの記事の構成を決めて改めてこのCDの事を調べるとすぐに、制作者である石川茂樹氏がLive Cafe Againの店主であることがわかりました。私はその時、音楽が持つ「めぐりあわせの力」を感じずにはいられませんでした。それは2008年3月28日東京ローカル・ホンク Live Cafe Again公演を観に行く数日前の事だったのです。

クレーンが残した全33曲の内25曲が収録されたこのCDは その内容はもちろん、歌詞や解説から詳細なデータまで、すみずみまで目の行き届いたブックレットも大変素晴らしいものです。税込2,000円という価格設定や、Againに置いてあったカラー刷りのチラシなどからも採算度外視、というか儲けの事は二の次の愛情と情熱が感じられます。

ホンクのLIVE終了後、後片づけに忙しそうな石川さんを無理矢理引き止めお話をさせていただきました。ナイアガラーだという事前情報を得ていたので内心少々怖々でしたが、とても気さくに、でもバートン・クレーンのことはとても真剣に話してくださいました。なんと次の展開も進行しているとのことで、こちらも期待して待つことにしましょう。

※ ナイアガラー
大瀧詠一マニアの事。彼を師匠と呼び音源にとどまらず調査してコレクトするヘビー級から、CDを全て揃える程度のライト級までの総称。ちなみに筆者はライト級の少し上くらいです



【関連リンク】
  • 武蔵小山 Live Cafe Again
    東急目黒線 武蔵小山駅から徒歩0.5分、ビルの地下1階にあるLive Cafe。ROCKバンドのLIVEからレコード・コンサート、落語まで多彩でありながら1本筋の通ったイベントが日夜行われています。1階にあるレコード店PET SOUNDS RECORDも併せて東京の音楽的魔窟といえそう
【All About内関連リンク】
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