語り継がれるべき傑作 『東京ローカル・ホンク』
『東京ローカル・ホンク』 製作期間はなんと4年。LIVEとはまた別の魅力を反映させることに成功した2nd. |
ここで1964~67年生まれの4人組、東京ローカル・ホンク(以下ホンク)のメンバーを紹介しておきましょう。
ヴォーカルとギター、全ての作曲を手掛けているのが木下弦二(きのした げんじ)。ギターとコーラス:井上文貴(いのうえ ふみたか)、ベースとコーラス:新井健太(あらい けんた)、ドラムとコーラス:田中邦雄(たなか くにお)。
オフィシャル・サイトのプロフィール・ページをご覧いただければ、私が「いい年といい顔をした~」という紹介文を付けてガイド・サイトINDEXに載せている気持ちが、きっとわかっていただけると思います。
「まだ活動してたんだ。しかも今度は麻琴さんのお墨付きか!」という感慨と共に聴き始めたヘッドホンが、どうにもはずせなくなってしまった。
再録音で収録された「カミナリ」は、これがひとつの完成形といえる仕上がり。むしろ『ヒコーキのうた』ヴァージョンの方が奇をてらったように聴こえます。まぁ、あのオナカムズムズ感も捨てがたいものがあるのですが。
久保田麻琴のプロデュース・ワークは夕焼け楽団やSandii & The SunsetzというよりはBlue Asia(関連記事はコチラ)以降の、といいたくなるもの。バンドが出す音とのせめぎあいや融合が曲の端々で感じられます。
電気的なDUB処理が あくまでもアーシーなホンクの演奏にかけられた「ブラック里帰り」(しかも歌われているのはいい年をしてバンド・マンを続けている男の里帰りの模様だ)をはじめ、小さな音やエコーにただならない仕掛けがあるので、良いヘッドホンもしくは大音量で聴くとクラクラする事請け合い。
もしも2000年以降の「日本のロック史」が語られる機会があるなら、このアルバムは絶対忘れてはならない。そんな「傑作」です。
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