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(4)『BLUE TRAIN』(2ページ目)

芋づる式CDレビュー「ジャズ名盤千夜一夜」。第4回はジョン・コルトレーン『BLUE TRAIN』です。ブルーノートレーベル、カーティス・フラーがキーワードです。

執筆者:鳥居 直介

カーティス・フラーが演出するハードバップの世界

真偽のほどは定かではないが、本作のきっかけは、コルトレーンがクスリを買う金ほしさにライオンに金を無心(形式上はアルバム契約の前金)したことにあるといわれている。そのアドバイスをしたのがカーティス・フラーであったとも言われており、そのフラーが本作に参加することによって、本作のハードバップ臭さ、というよりブルーノートの香りは決定づけられている。

カーティス・フラー。1934年12月デトロイト生まれ。デトロイトの学校でポール・チェンバース、ドナルド・バードとであったのち、兵役を経て57年4月、ニューヨークに進出。早速5月にプレスティッジレーベルにリーダー作を録音したのち、6月にはブルーノートと契約し、以降、ブルーノートを代表するトロンボーンプレイヤーとして活躍する。

トロンボーンというのは本来、とても地味な楽器だ。低音で、音に角がない。ビッグバンドでは大切な役割だが、コンボではあまり目立たない。しかし、きちんとアレンジしたハードバップ・チューンでは、ぜひともそのいぶし銀の音色に耳を傾けてほしい。『BLUE TRAIN』でも、タイトルチューンのBLUE TRAINのテーマなどは、トロンボーン、サックス、トランペットの三管でこそ、このカッコよさが生まれるのである。

ハードバップの魅力は、アレンジのカッコよさ、つまりは「構築性」と、個々の演奏者の個性が自由に爆発するアドリヴのカッコよさのなかにある。『BLUE TRAIN』は、その魅力をどこどこまでも堪能できる傑作だといえるだろう。


『BLUE TRAIN』アルバムデータ
●曲目
1. Blue Train
2. Moment's Notice
3. Locomotion
4. I'm Old Fashioned
5. Lazy Bird
6. Blue Train
7. Lazy Bird

●パーソネル
ジョン・コルトレーン(sx)
リー・モーガン(tp)
カーティス・フラー(tb)
ケニー・ドリュー(p)
ポール・チェンバース(b)
フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)


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記事「ジャズ用語徹底解説掲載日 「ハード・バップ」って、なに?」
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