難しそう? そうですね。簡単、とはいえないかもしれません。けれど、あなたの感じた「難しそう」なところって、どんなところでしょうか? もしかすると、その多くは誤解かもしれません。
「ジャズをやりたい」そう思ったあなたはすでに、ジャズ演奏家のスタートラインに立っています。ジャズの上達に王道はなく、めざす「ジャズ」の姿も人それぞれなのですから、皆さん好きに取り組んで下さい……ということではガイドになりませんので、ここではジャズに取り組もうとした人がしばしばつまずくポイントに絞ってアドバイスしてみましょう。
まずは楽器とスクール選びから。
ジャズってどんな楽器があるんだっけ?
ジャズにはさまざまな楽器が登場します。ピアノ、ベース、ドラムといった、さまざまな編成で活躍するレギュラー楽器から、ビブラフォンやフルートといったちょっと変り種の楽器まで、極端な話、音が出るものであれば何でもジャズはできます。とはいえ、これからジャズ演奏を始めてみようかという人にとってはどの楽器がよいのか、雲をつかむようなところがあるかもしれません。
ジャズにはいろんな楽器が登場します。どの楽器がどういった役割を果たすのかが理解できるとジャズを聴く楽しみは深まります。ジャズをもっとよく知りたい人、ジャズ演奏を始めようかと考えている人にお送りする、ガイド流ジャズ楽器講座!(写真がガイド記事にリンクしています) |
ガイド記事「ジャズ楽器の基礎知識」
楽器選びについてもう1点だけ。ジャズをやる以上、音楽理論には多少なりともなじまなければいけませんが、その時、問題になるのが和声に対する理解。管楽器などの旋律楽器を選んだ方も、ピアノ、あるいはギターなどの和音が出せる楽器を手元に置くことをお勧めします。上手に弾ける必要はありません。和音と旋律の絡み方を確認するために、安いキーボードでも良いので、手に入れることをお勧めします。
やっぱり習いにいったほうがいいのかな?
さて、どの楽器でやろうという決心がついたところで、次に頭を悩ませるのが、独習がよいのか習いにいったほうがよいのかという問題。これは、皆さんの音楽キャリアや性格、タイプによるところが大きいと思います。以下、パターン別にアドバイスをしてみましょう。
■案外何とかなっちゃうかも? ブルースマンのジャズ独習
私もそうでしたが、ロック、ブルースなど、独習でスタートすることが一般的な音楽ジャンルからの転向組は、ジャズに関しても独習でスタートする人が多いようです。特にブルースにはアドリヴの習慣が強くありますし、音楽構造的にも、ジャズとは兄弟のような関係です。耳コピーができる人であれば、ジャズにもある程度対応できるでしょう。
また、そのようにスタートした人でも、セッションに出かけた先で出会った親切な人からアドバイスを受けるなどすれば、自然にジャズの複雑なコンテンツを学んでいくことができるかもしれません。
ただ、「一度もまともな教育を受けていない」という問題は、長く続けていれば必ず浮上してきます。1つは楽器のコントロール技術、もう1つは体系だった理論という2つの側面について、「ちょっと壁だなあ」と感じたら、きちんとした教育をやっている教室の門を叩く。それからでも、決して遅くはないでしょう。
■意外に問題? クラシック出身者のジャズ独習
一方、難しいのはクラシック教育をきちんと受けた方。楽器のコントロールについてはおそらく問題ないと思うのですが、いざ、ジャズの譜面に向かってみると「?」が連発する人が非常に多いのです。
ジャズの譜面は独特の書式。そのまま演奏しても「ジャズ」にはならない。 |
もう1点、クラシックの方にとって壁になるのがジャズ独特のリズム感。これはもう、習うより慣れろ、の世界です。楽器演奏技術については習う必要がなく、理論については独習できるよ、という方であれば、思い切っていきなりセッションに出かけ、「生」で、ジャズのスウィング感に慣れていくことが一番の近道になるでしょう。
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