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トランペット特集

魅力いっぱいのジャズトランペット。一般的な楽器なのに、未だに多くの謎をもつトランペット。そして今、そのベールを脱ぐ!

執筆者:佐久間 啓輔

文章: 佐久間 啓輔(All About「ジャズ」旧ガイド)

トランペットとはどういう楽器なのでしょう。一般的な楽器であるのは間違いありませんが、演奏しない人にとっては謎の多い楽器です。それでは、第一部でその構造と知られざる演奏技法、第二部でジャズトランペッター、第三部でジャズトランペッター高瀬龍一氏のCD発売コンサートのレポートを紹介していきたいと思います。


トランペットはなにも3っつのトリガーだけで演奏しているわけではありません。目に見えない部分、そう“口”を使ってそのほとんどをコントロールしています。トランペットの各部分の名称は次の通りです。

1.マウスピース
口をあてる部分です。息を吹き込むだけでは音は出ません。唇をブーっと震わせてその振動を楽器で増幅させます。取り外しが可能で、トランペッターは自分にあったマウスピースを探し続けます。

2.ピストン
ここが問題です。3っつだけでどうやって演奏しているのでしょうか?信号ラッパを思い出して下さい。ピストンはありませんね?そう口だけで音を出す信号ラッパは限られた音(下からド・ソ・ド・ミ・ソ・bシ・ド…)しか出ません。そしてピストンの登場です。図の左から1音下げる・半音下げる・1音半下げるという仕組みになっており、口と指の組み合わせで12音階の演奏ができるのです。

3.ベル
音が出る部分。「アサガオ」とも呼ばれています。

4.チューニングスライド
この部分を伸縮させることでチューニングします。とはいえども、もともとピッチの不安定な楽器ですので、おおよそのチューニングだけおこないます。



 

トランペットの音域は人によって違います。ハイノートと呼ばれる超高音域は、限られた演奏者にだけ神が与えた武器だといえるでしょう。またトランペットの場合、高音域は重たい荷物を持つようなもので、常にその音が出せるわけでもなく、休憩が必要です。野球のピッチャーにも似たところがあります。

このようにトランペットとは、身をすり減らしながら演奏するものなのです。一発の音で聴衆をノックアウトできる魅力的な音は、こういったところから生まれるのです。では次のページで、その魅力的なジャズトランペッターたちを紹介していきたいと思います。

 

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