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ホワイトデーに贈る ボサノバCD推薦盤

やさしく語りかけるように響くボサノバ。ホワイトデーの贈り物にぴったりな、ボサノバの名盤をガイドがセレクト!

執筆者:佐久間 啓輔

文章: 佐久間 啓輔(All About「ジャズ」旧ガイド)

ボサノバは、1950年代にブラジルで生まれた、軽快で洗練されたポップミュージック。当時、その鮮烈な音楽スタイルに、熱くラブコールを送ったのがアメリカのジャズミュージシャン達でした。親しみやすいメロディ、落ち着きながらも軽快なリズム、都会的なハーモニーで、我々日本人も魅了されてきました。

今月はそんなボサノバを奏でるミュージシャン達を特集したいと思います。ホワイトデーのプレゼントにぴったりな、お勧めCDも紹介していきます。ぜひ参考になさってください。

※ジャケット写真がAmazon.comにリンクしています。



ボサノバの素晴らしいところは、そのリズムとハーモニー。例えば『ワン・ノート・サンバ』という曲がある。直訳すると『一つの音程のサンバ』。全てが一つの音程というわけではないが、少なくとも最初の8小節は、一つの音だけで作曲されている。話だけ聞くとふざけた話だが、まぎれもなく名曲である。一つの音だけでも、モールス信号になることなく、リズムとハーモニーによって美しい旋律となるのである。
アントニオ・カルロス・ジョビン
ボサノバのヒットメーカー。ジャズミュージシャンの取り上げるボサノバのほとんどが、このジョビンの作品だ。前出の『ワン・ノート・サンバ』ももちろんこの人の作品。そして作曲家としてだけではなく、独特のささやくような歌声と、シンプルに奏でるピアノも、その後のボサノバのスタイルに大きく影響してきた。
お勧めは『WAVE』。ほとんどがインストルメンタルでボサノバのBGMとしては申し分ない。さわやかな雰囲気は朝にも合うし、静かな夜を演出するにもピッタリくる。
ジョアン・ジルベルト
ジョビンと共に、ボサノバのスタイルを確立した人物。特にそのギターワークは、ボサノバの基本。ジャズのハーモニーを取り入れた、非常に洗練されたサウンドを聴くことができる。お勧め盤は…下記、アストラッド・ジルベルトで。

アストラッド・ジルベルト
アストラッドはジョアンの奥さんで、ボサノバ界の歌姫。力むことなくクールに歌いきるところが魅力で、またそれが、ボサノバの基本スタイルにもなった。お勧め盤はなんと言っても『ゲッツ=ジルベルト』。ジョビンの作品を、ジョビンのピアノとジョアンのギターでアストラッドが歌うという超豪華版。リーダーのスタン・ゲッツのテナーサックスももちろん素晴らしい。ボサノバの金字塔といえばこの作品だ。

スタン・ゲッツ
テナーサックスのスタン・ゲッツはジャズミュージシャン。モダンジャズの名手として数多くの作品を残しているが、ボサノバミュージシャン達との共演は、ジャズの歴史に大きく足跡を残している。お勧め盤は、上記『ゲッツ=ジルベルト』ももちろんだが、アコースティックギターの名手チャーリー・バードとのコレボレーションで、アメリカにボサノバブームを巻き起こした『ジャズ・サンバ』も素晴らしい。
 
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