そもそもDSDって何だ?
SACDにも採用されているレコーディング方式、DSDのロゴ |
DSDとはDirect Stream Digitalの略であり、1ビットオーディオなどとも呼ばれるもの。比較的身近なところでは、次世代(?)のCDフォーマットと呼ばれるSA-CD(Super Audio CD)に採用されているもので、その対極にあるのが、ごく一般的なPCMです。ご存知のとおり、普通のデジタルオーディオであるPCMでは24bit/96kHz、16bit/44.1kHzなど量子化ビット数とサンプリングレートで音質が変わり、数値が大きいほどよいといわれています。それに対し、DSDでは、そもそもの単位が大きく変わってきます。
まず、大きい違いは量子化ビット数が1bitであるということ。つまり音があるのか、ないのかのみを検知するわけです。そして、サンプリングレートは単位が異なり、MR-2で使われているのは2.8224MHz。PCMと比較してまさに桁違いの精度でのサンプリングを行っているのです。これにより、音の波の粗密を直接記録することができ、よりアナログ感覚でのレコーディングを実現し、実際の音に近い記録ができるといわれているのです。
ただし、PCMと比較してのデメリットもいろいろあります。まずは、データ編集するには膨大な演算が必要となるため、実用上においてはデータを切ったり、つないだり、フェード処理をするのがせいぜい。デジタル的にEQ処理をしたり、エフェクトをかけたりといったことは事実上不可能に近い状況です。どうしてもエフェクト処理などをしたい場合には、アナログでかけるか、一旦PCMにデータを変換してからDAWなどを用いて処理するというのが一般的です。