DTM・デジタルレコーディング/レコーディング・制作ノウハウ

プロが明かす新・音楽制作手法[3](2ページ目)

沖縄系ヒーリングユニットのTINGARAの音楽制作手法を紹介する連載の3回目。今回は、TINGARAの独特なサウンドをどのように作っているか、その種明かしをしてもらいました。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

オケ部分はKONTAKTを使って作り上げる

組曲 ~命の森~
1曲目の「精霊の森」でのMIDIトラックはつぐみさんが入力している
--つぐみさんが送ってくるデータに入っているボーカルは、あくまでも仮歌ですよね?それでもわざわざ1パートにつき4つ録って送ってきているのですか?
ヒデオ:これはただ厚みが増すというのではなく、イメージが変わってくるんです。本人もやりながらアレンジしているので、重ねながらイメージを膨らませているんだと思います。

--一方で、10トラックあるというオケのほうは、すべてMIDIデータなんですよね?
ヒデオ:そうですね。音源は全部ソフトシンセであり、先日お話したとおり、Native InstrumentsのKONTAKTを使い、チェロやバイオリン、ピアノといった音を入れています。


組曲 ~命の森~
MIDIトラックはNative InstruementsのKONTAKTで鳴らしている
--そこから先は、ヒデオさん側の作業はどうしているんですか?
ヒデオ:最初にミックスで全体を整えていきます。次にボーカルだけをミックスしていきます。もっとも、後で本録りをするので、あまり根を詰めず、あくまでもイメージを見出すために行っています。さらにトラックをミックスして……と、とにかくバランスをとって自分でも聴きやすいようにしていくのです。

--ここまで最初のテンプレートであるTINGARAフォーマットを使って作っているわけですよね
ヒデオ:そのとおりです。もちろん、音を追加したり変更することもありますが、まずはこのフォーマット上で作っています。ただ、つぐみの作ってきたトラックの順番や配色などは気に入らないことが多いので、順番をキレイに整え、トラックの色も見やすく設定しなおすのもミックス作業のひとつとなっています。このようにミックスをしていくことで、楽曲の全体像、構造が見えてきます。当然、ミックスを繰り返して行うだけに、10以上は聴いているため、曲の方向性も決まってくるわけです。

--そしていよいよボーカルのレコーディングとなるわけですね。
ヒデオ:そうですね。先日お伝えしたとおり、自宅スタジオにおいて、NEUMANN (ノイマン)のマイク、U87Aiを使って、1パートにつき4回ずつレコーディングしていきます。やはり32トラックともなると、それなりの時間を要しますけどね。
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