DTM・デジタルレコーディング/オーディオインターフェイス

今はやりの真空管アンプ・シミュレータ

最近、ソフト、ハードを限らずいろいろと登場して身近になってきているのが真空管アンプ・シミュレータです。「今さら真空管?」なんて思う方もいると思いますが、これでどんなことができるか紹介しましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

最近、ソフト、ハードを限らずいろいろと登場して身近になってきているのが真空管アンプ・シミュレータです。IK MultimediaのAmplitubeがいろいろなソフトにバンドルされていたり、EDIROLのUA-4FXに真空管アンプ・シミュレータ機能が搭載されたり……。「今さら真空管?」なんて思う方もいると思いますが、これでどんなことができるのでしょうか、またそもそも真空管アンプとはどんなものなのでしょうか。

オーディオ用として現在でも普及する真空管アンプって何?


TRV-300ST
真空管プリ・メインアンプとして著名な、トライオードのTRV-300ST
「真空管アンプ」。何かとってもレトロな響きの言葉ですし、実際、その昔、主流であったアンプですが、実は今でも珍重されている高級なアンプでもあります。もっとも、通常、「真空管アンプ」といって指すのはオーディオ用のアンプ。かなり古い機器が、いい価格で中古流通している一方、最新の真空管アンプ製品もいろいろあります。価格のほうは、それこそピンキリ。何十万円もする高価なものから、数万円で手に入る安いものまで揃っています。インターネットの通信販売でも、真空管アンプを専門に扱っているところもありますから、それほど特異なものでないことがご理解いただけると思います。

また中には、真空管アンプを手作りで組み立てようという趣味の人たちもいっぱいいるようです。真空管アンプ作りのための書籍が登場したり、そうした情報が載っているWebサイトもいくつかあるようですので、興味のある方はチャレンジしてみてもいいかもしれません。


暖かで豊かな音にする真空管アンプ


真空管アンプがレトロな機材であるのに対し、最新のアンプはトランジスタ、そしてオペアンプと呼ばれるICを使って作られたものになっています。

真空管アンプは、実際に音が出るようになるまで電源を入れてからかなり時間がかかったり、ノイズが乗りやすかったり、また真空管の状態によって音が変わってしまったり、さらには真空管自体の寿命が短く、壊れやすいという欠点があることから、トランジスタアンプ、そしてICアンプへと進化してきたのです。

それなのに、今でも真空管アンプが求められる理由は、やはりその音にあります。音を言葉で表現するのは難しいところですが、よく言われる表現としては「暖かで豊かな音にする」アンプである、ということです。

機会があれば、ぜひ聞き比べていただきたいのですが、確かに真空管アンプで出す音はちょっと違います。今のICアンプは性格に音を増幅しているのに対し、真空管特有の増幅の仕方をしているからなのでしょうが、確かに柔らかい感じで、気着心地のいいサウンドにしてくれるのです。
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