DTM・デジタルレコーディング/オーディオインターフェイス

何でも読み書きできるサンプラー用コンバータ Awave Studio(2ページ目)

ハードにソフトとサンプラーにはいろいろな種類があり、そのライブラリも数多くありますが、困るのが互換性のないこと。でも、さまざまなフォーマットに対応したコンバーターがあるのです。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

どのサンプラーも仕組みは似たり寄ったり!?


このように、世の中にはさまざまなデータ形式が存在していますが、サンプラーそのものの考え方、仕組みはどれも似たり寄ったり。もちろん、各機種固有の機能が存在していないわけではありませんが、大きな違いはありません。

簡単にいえば、サンプリングしたPCMデータがどの音程のものなのかを指定するとともに、音階ごとにどのデータを割り振るかを定義しておきます。また、長い間キーを押したときに音が途切れないようにループポイントを設定したり、シンセサイザ機能によってフィルタやエンベロープを設定するといったところが基本でしょう。

であれば、100%完全でなくても、ほぼそのままの形で、ほかの機種へデータを移植することは可能なはずです。現に多くのサンプラーにはコンバータ機能などが搭載されており、著名なサンプラーのデータ形式を読み込むことが可能になっています。

260種類ものデータに対応したシェアウェア


Awave Studio
260種類ものフォーマットに対応したシェアウェアのサンプラーデータコンバータ、Awave Studio
そんな考えの元、登場してきたのが、Windowsベースのサンプラー用のデータコンバータです。中でも著名なのが、スウェーデン生まれのシェアウェア、FMJ-SoftwareのAwave Studioというものです。2005年4月現在のバージョンが、9.2ということからも分かるとおり、結構歴史のあるソフトであり、ガイドである私、藤本も長いこと使ってきました。


このソフト、現行バージョンにおいて、サポートしているフォーマットがなんと260種類。よくこれだけいっぱい対応したものだと思いますが、これだけあれば、かなりのサンプラーのデータコンバートができます。もっとも、260種類とはいえ、260種類のサンプラーに対応というわけではありません。たとえば、YAMAHAのMotif(これをサンプラーとは言わないかもしれませんが)の場合、voiceフォーマット、waveformsフォーマット、Motif ESのalフォーマット、voiceフォーマット、waveformフォーマットと計5つのデータ形式があるため、対象機種はもっと少なくなってしまいます。

その結果、HALionやSampleTank、EXS24といったソフトサンプラーは、未対応というものがまだ多く、なんでも完璧というほどではありません。

とはいえ、このソフトは単にサンプラーだけでなく、WAVやAIFF、MP3、RealAudio……といった一般の音声データフォーマットもあるので、汎用性も高くなっているのです。
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