どのサンプラーも仕組みは似たり寄ったり!?
このように、世の中にはさまざまなデータ形式が存在していますが、サンプラーそのものの考え方、仕組みはどれも似たり寄ったり。もちろん、各機種固有の機能が存在していないわけではありませんが、大きな違いはありません。
簡単にいえば、サンプリングしたPCMデータがどの音程のものなのかを指定するとともに、音階ごとにどのデータを割り振るかを定義しておきます。また、長い間キーを押したときに音が途切れないようにループポイントを設定したり、シンセサイザ機能によってフィルタやエンベロープを設定するといったところが基本でしょう。
であれば、100%完全でなくても、ほぼそのままの形で、ほかの機種へデータを移植することは可能なはずです。現に多くのサンプラーにはコンバータ機能などが搭載されており、著名なサンプラーのデータ形式を読み込むことが可能になっています。
260種類ものデータに対応したシェアウェア
260種類ものフォーマットに対応したシェアウェアのサンプラーデータコンバータ、Awave Studio |
このソフト、現行バージョンにおいて、サポートしているフォーマットがなんと260種類。よくこれだけいっぱい対応したものだと思いますが、これだけあれば、かなりのサンプラーのデータコンバートができます。もっとも、260種類とはいえ、260種類のサンプラーに対応というわけではありません。たとえば、YAMAHAのMotif(これをサンプラーとは言わないかもしれませんが)の場合、voiceフォーマット、waveformsフォーマット、Motif ESのalフォーマット、voiceフォーマット、waveformフォーマットと計5つのデータ形式があるため、対象機種はもっと少なくなってしまいます。
その結果、HALionやSampleTank、EXS24といったソフトサンプラーは、未対応というものがまだ多く、なんでも完璧というほどではありません。
とはいえ、このソフトは単にサンプラーだけでなく、WAVやAIFF、MP3、RealAudio……といった一般の音声データフォーマットもあるので、汎用性も高くなっているのです。