DTM・デジタルレコーディング/オーディオインターフェイス

何でも読み書きできるサンプラー用コンバータ Awave Studio

ハードにソフトとサンプラーにはいろいろな種類があり、そのライブラリも数多くありますが、困るのが互換性のないこと。でも、さまざまなフォーマットに対応したコンバーターがあるのです。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

いろいろあるサンプラー用ライブラリ


AKAI S1000
サンプラーフォーマットのデファクトスタンダードともなったAKAIの初期のサンプラー、S1000
AKAIのS1000をはじめ、S5000やS6000などのSシリーズ、YAMAHAのA3000、EMUやEnsoniqのサンプラーなど、昔からさまざまなメーカーがサンプラーを開発、販売しており、それぞれに長い歴史があります。また、それに伴い、各製品に対応したライブラリーが各メーカーから、またサードパーティから販売されてきました。


Reason NN-XT
Reason内の強力なソフトサンプラー、NN-XT
また、ここ数年で台頭してきたのがソフトサンプラー。TASCAMのGigaStudi/GigaSamplerはソフトサンプラーのすごさを世の中に知らしめ、PropellerheadのReasonは、統合型ソフトシンセでもそのサンプラーの威力がすごいことを証明しました。そして、こうしたソフトサンプラー用にもいろいろなライブラリーが販売されていたのです。


ただし、ここで困るのがデータの互換性です。せっかくいろいろなライブラリがあっても、自分の持っているサンプラー用のデータでないと利用できないため、実際に使えるライブラリというのは限られていたのです。

SoundFontやDLSもサンプラーのデータ形式


一方で、「名前はよく聞くけど、あんまり使ったことがないし、よく分からない」なんて声が多いのが、SoundFont。これは、SoundBlasterのCreativeが作り出したフォーマットで、SoundBlasterの音色を、文字のフォントの置き換えと同じ感覚で入れ替えることができる、というまさにフォントのようなものです。が、これ、言い換えればまさにサンプラーのデータ形式そのもの。実際、SoundBlasterはDSPを搭載した高性能なサンプラーなのです。そして、このSoundFontのライブラリーも数多く販売されているし、オンライン上でフリーウェア、シェアウェアなどの形で膨大な数が流通しているのです。

またDLSというのも、このSoundFontに非常に近いものです。DLSとはDownLoadable Soundsの略で、そのCreativeとMicrosoftなどがSoundFontをベースに作ったフォーマットです。SoundFontが基本的にSoundBlasterを必要とするのに対し、DLSはソフトベースで動作するため、ハードが不要というのが特徴。実際、現在のWindowsには標準で組み込まれており、WindowsMediaPlayerでMIDIファイルを再生させると、MIDI音源モジュールがなくても再生できてしまうのはこのためです。
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