DTM・デジタルレコーディング/レコーディング・制作ノウハウ

プロミュージシャンに聞くレコーディングの実際 スケッチからミキシングまで

プロのミュージシャンは、実際どうやって曲の制作を行い、そこでどのようにコンピュータを活用させているのでしょうか?先日「bird people」というアルバムをリリースしたtomzuin hさんにお話を伺いました。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

作曲家、アレンジャーとしても活動する多彩なミュージシャン


bird people
SONICA RECORDSからリリースされたtomzuin hさんのアルバム、bird people
SONICA RECORDSから「bird people」というアルバムをリリースしたtomzuin h(トムズゥイン・エイチ)さん。シンセサイザや電子音響、アコースチック、エンジニアリングといった手法を巧みに用いたサウンド作りでジャンルの垣根を越えた恍惚感漂うエレクトロ・ワールドを作り出しています。そのtomzuin hさんのサウンドは過去参加コンピ「Inner Cafe (vol.1, 2)」やCOIL、NIRGILIS、元ちとせ、笹野みちる、原田真純といったアーティスト作品の中でも垣間見ることができます。同時に、作曲家/アレンジャーとして活動し、シンセ/コンピュータのプログラミングにも長け、数多くのシンセサイザー開発に参加してきたという顔も持つ人物です。

そんなtomzuin hさんに、普段どうやって音楽制作を行っているのか、その際、どのようにコンピュータを活用しているのかという観点で聞いてみました。

スケッチはノートパソコンでピアノロール入力


--曲を作るとき、どんな流れで行っているのか、教えていただけますか?
大抵、イメージが沸いたら手近な楽器でスケッチするんですよ。ギターやカシオトーンなどで軽く弾いてみる程度なんですけどね。それでそのイメージが少し固まってきたら、より具体的にしてみようとパソコンに向かうんですよ。

--具体的にはどんな機材、ソフトを使っているんですか?
Macを使っています。スタジオにはG4の1.25GHzのDualマシンとPowerBookが音楽制作用として用意していますが、普段はメール用などにiBookを持ち歩くことが多いんです。そして、そのスケッチは喫茶店など、外ですることが多く、iBookを使うケースが多いですね。ここには、DigitalPerformerの3.1が入っています。スタジオの2台には4.1.2という最新版を入れていますが……。

--でも、iBookにDPというものだけでスケッチするといっても、入力はどうしているんですか?キーボードがないと結構面倒でしょ?
入力はピアノロールでしているんですよ。効率悪いですね(笑)。ただ鍵盤持ち出すとその時点で萎えるというか……。キーボードつないだらドライバ認識しなかったなんてことがよくあるじゃないですか。また、喫茶店などでやる際にあんまり仰々しいと妙な目で見られるけど、iBookひとつなら、ちょっと仕事しているのかな、程度にしか見られませんからね。スケッチといっても16小節程度が基本だから、断片が思い浮かんでいたら、なんとかなるのですよ。まあ、実際には結構時間がかかっているかもしれませんけれど。
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