レイテンシーが大きく影響するソフトシンセ
ソフトシンセをリアルタイム演奏すると、レイテンシーの影響が如実に現れる |
レコーディング音をモニターするとディレイが生じる
また、ソフトシンセ以外でもDAWでよく問題になるのが、レコーディングしている音をモニターする場合です。通常のレコーディングではボーカルでもギターでも音をモニターしながら行います。しかし、ここでPCのレコーディングシステムを通すと、レイテンシーが大きな問題になります。まあ500msecなどというレイテンシーは極端な例ではありますが、これだけ遅れていたらモニターなどしないほうがマシでしょう。
ただ、モニターすることでのメリットとしてエフェクトがあります。たとえばボーカルをモニターする場合、リバーブのかかった音をモニターできれば、気持ちよく歌うことができるでしょうし、ディストーションとコーラスのかかったギターの音をモニターできれば、音の余韻などを確認しながら演奏することができます。
でも、ここにレイテンシーがあると、ひどいディレイがかかった状態となってしまいます。往復で1秒近いディレイがあったら、話にもなりませんが、50msec程度だとしても、そのズレはかかり気になるものです。こうしたことを考えても、レイテンシーは小さいに越したことがないのです。
ASIOダイレクトモニタリングとは
ここで登場するのが、ASIOダイレクトモニタリングというものです。これはASIO 2.0に対応したドライバで搭載されている機能であり、CubaseSXやSONARなどで利用できる機能です。
ASIOダイレクトモニタリングをオンにすると、レイテンシーは0になるが、エフェクトは利用不可となる一方、ソフトシンセのリアルタイム演奏では何の効果もない |
それを理解した上で、ASIOダイレクトモニタリングを利用すれば、使い勝手のいいレコーディングシステムを構築することができるでしょう。
次回は、このレイテンシーはどの程度の時間が最適値なのか、そして設定によってどこまで追い込むべきで、その意義がどれだけのものなのか、またレイテンシーはどんな仕組みで生じているのかなどを考えていきます。