DTM・デジタルレコーディング/オーディオインターフェイス

【シリーズ テクニカル用語徹底解説】その4 デジタル端子、S/PDIFとは(2ページ目)

オーディオ用のデジタルインターフェイスの代表、S/PDIF。同様の言葉で、光デジタル端子やオプティカル、Coax、同軸……などあります。これらは何がどう違うのか、ここできれいに整理してみましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

■S/PDIFには光と同軸の2種類がある

 しかし、S/PDIF端子=光端子というわけではありません。もうひとつ同軸端子と呼ばれるものもあるのです。光の呼び名がいろいろとあるのと同様に同軸のほうもコアキシャル、COAX、Coaxialなどと呼ばれることがあります。つまり、S/PDIFには光と同軸の2種類の規格があるというわけなのです。

 光端子がある種独特な形状であるのに対し、同軸のほうはアナログのオーディオ端子と同じピンジャック(RCA端子)が採用されています。一応、S/PDIF専用ケーブルというものが存在し、それを使うのが良いとはされていますが、普通のアナログのオーディオケーブルで接続しても支障はありません。ただし、これをアナログの端子と接続するのは絶対に止めましょう。下手をすると機材を壊してしまう可能性がありますから。また、これも光と同様に信号の流れは一方通行となっているのです。

 ミニコンポなどで、この同軸の端子が搭載されているケースはあまりありませんが、業務用の機材で搭載されているS/PDIFの多くは同軸となっています。また高級CDプレイヤーなどでもこれが採用されています。

 一方、この同軸のS/PDIF端子はパソコンに搭載されるケースが増えてきました。多くのものは出力端子のみですが、これを利用することで大きなメリットが得られます。その一つ目はノイズレスでの接続でしょう。パソコンのオーディオ出力をアナログのスピーカーに接続するとどうしてもノイズが多くなり、音楽の観賞用としてはかなり不適ということになってしまいます。しかし、このS/PDIFで出力したものを、S/PDIF対応のスピーカーに接続すれば、ほぼノイズレスの環境が得られるのです。最近はこうしたスピーカーが1万円前後で登場しているので、これらを使うことでパソコンのオーディオ環境は飛躍的に向上します。

 もうひとつは、このケーブル1本でサラウンドの信号が送れるということでしょう。S/PDIFは通常2ch(ステレオ)のオーディオ信号を伝送するために用いるのですが、ここにはステレオ信号以外に5.1chなどのサラウンド信号を1本のケーブルに通すことができるのです。もっと正確にいえばDolby Digital AC3やDTSといわれる方式で圧縮された5.1ch信号を送ることができ、送った先にデコーダー(音声信号に変換する装置)があれば、利用できるのです。
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