DTM・デジタルレコーディング/シンセサイザー活用ノウハウ

CakwalkのReason対抗の統合環境ソフトシンセ project5が今春リリース

先日Cakewalkからproject5というソフトが発表されました。これはCakewalk版Reasonともいえる統合環境のソフトシンセで、海外では3月にもリリースされるとのこと。どんなソフトなのでしょうか。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド



 1月にアメリカのロサンゼルスで開催された世界最大の楽器の展示会、NAMM 2003。ここで、DAWソフトとして有名なSONARを開発するCakewalkがproject5なる新しいソフトを発表しました。誤解を恐れずに言ってしまえば、これはCakewalk版Reasonともいえるソフト。ArturiaのSTORMとも同じジャンルの統合環境型ソフトシンセです。

 もちろん、ReasonともSTORMとも違うコンセプトや機能を持った製品なのですが、これが一体どんなことができるものなのかちょっと気になるところです。Cakewalkでは、project5に関するプレスリリースなどを出していますが、実際のところどんなものなのか、国内での発売予定がどうなっているのか、また価格はいくらくらいなのでしょうか? この辺について、EDIROLのマーケティング担当者に話を伺ってきたので、レポートしましょう(※画面写真やモジュール名などはβ版のものであるため、今後変わることもあります)。

 まずproject5というのは、5つのソフトシンセをセットするともに、シーケンサ機能やエフェクト機能などを統合させた新コンセプトのソフトウェアであるとのこと。確かにReasonともコンセプトの近いソフトのようですが、さまざまな面で設計のアプローチが違い、単純に比較できるソフトではないとのことでした。

 では、何なのか。簡単に言ってしまえば、これは5つのDXiプラグインのソフトシンセ5つをセットにするとともに、それを利用できる環境を用意したものです。つまりシーケンサ機能やミキサー機能、エフェクト機能などをすべて統合し、これ1つで曲づくりを可能としたソフトなのです。

 シーケンサは、SONARなどのように本格的なものではなく、ドラムマシン感覚で簡単にデータ入力ができるステップシーケンサと、既存のMIDIファイルを読み込んで扱える全体の曲管理をするためのシーケンサとなっています。

 機能面でいうとReasonとの最大の違いは、その後者のシーケンサ機能でMIDIトラックだけでなくオーディオのトラックが扱えるということ。オーディオのレコーディングはできないものの、WAVファイルを読み込んで、それをMIDIとともに演奏することができるのです。しかも、このオーディオトラックはアシッタイズされたファイルも扱えるため、テンポやピッチを変化させることも可能になっているのです。
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