DTM・デジタルレコーディング/DTM基礎知識

【シリーズ テクニカル用語徹底解説】その2 adatインターフェイスとは(3ページ目)

カタログを見ているとよく登場するadat。でも実際にモノを見たことはないという人も多いでしょう。これはいったい何モノで、一般のユーザーにとってもメリットのあるものなのでしょうか。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

 また、これも私が使っているものとして、FOSTEXのVC-8という機材があります。これは非常にコンパクトなモジュールですが、adatの入出力を1つずつ持っており、これを8チャンネルのアナログに変換したり、アナログからadatに変換するAD/DAとなっています。
 もちろん、これら以外にもRolandのVM-3100ProやYAMAHAの01vや02Rといったデジタルミキサーにもオプションでadatインターフェイスを搭載することができます。
 ところで、このadat opticalインターフェイスを用いた場合、サンプリングレートやサンプリングビット数はどうなっているのでしょうか?
 adatでは最高で24bit/48kHzまで扱うことが可能です。もちろん、16bit/44.1kHzや16bit/48kHz、また24bit/44.1kHzといったフォーマットを扱うことができます。しかし、残念ながら現在のレコーディングでの標準となった感じの24bit/96kHzには基本的に対応していないのです。実際、先ほど例にあげたKORG 168RC SoundLinkやFOSTEX VC-8などは24bit/48kHzまでで24bit/96kHzには対応していません。
 が、ちょっとWebで検索してみると分かるとおり、adatで24bit/96kHzをサポートしている製品もいろいろあります。これはどういうことなのでしょうか?
 実は、ここにちょっと面白い規格であるS/MUXというものがあります。これはadatの2チャンネル分を足し合わせて24bit/96kHzまで扱えるようにするというものです。もちろん、このモードで扱えばadat1本のケーブルで4チャンネルまでしか送れなくなります。ややイレギュラーな規格ではありますが、
   Steinberg NUENDO 96/52
   Steinberg V-STACK/VSL 2020
   APOGEE AD16&DA16
   RME ADI-8 DS
ほか、いろいろな製品がS/MUXに対応しているので、興味のある方は試してみるといいでしょう。
 以上、adatについて紹介してみましたが、いかがだったでしょうか? 光ファイバーケーブル1本で、デジタルオーディオデータが8チャンネル分も送れるというのは大変な魅力ではないでしょうか?さすがに初心者用の製品ではありませんが、そこそこ手軽な価格でいろいろな製品が出てきていますから、機会があれば、導入してみてはいかがでしょうか?
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