DTM・デジタルレコーディング/デジタルレコーディング基礎知識

【デジタルレコーディングの基礎知識】その3 24/96って本当に意味あるの?(3ページ目)

最近、よく言われている24bit/96kHzでのレコーディング。普通はCDの16bit/44.1kHzで十分すぎるほどの音質に感じますが、24bit/96kHzレコーディングって本当に意味があるものなのでしょうか?

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

■波形編集時における24bit/96kHzの意義

微妙な差ではあるけれど、24bit/96kHzの表現力があることはわかりました。でも、PCを用いたデジタルレコーディングの結果、それをDVD Audioに焼くという人は皆無でしょう。

そもそも、DVD Audioを焼くソフト自体市販もされていませんから(SonicSolutionsが先日、それを実現するソフトをリリースすると発表しましたが)。もちろん、PCから直接再生するということも可能ですが、普通はCDに焼いて聞く形になるでしょう。そうしたら、最終的に16bit/44.1kHzに落とすわけですから、24bit/96kHzはやはり無意味ということになりそうです。でも、本当にそうなのでしょうか?

実は、最終的にCDクォリティーの16bit/44.1kHzに仕上げるにしても、24bit/96kHzにする大きな意味があります。それは、編集の途中過程におけるものです。

通常レコーディングした音は、その後エフェクトをかけたり、イコライザをかけたり、レベル調整を行うなどの編集作業をします。これはコンピュータの内部的には、すべて計算によって行っているわけですが、この計算結果、かならず誤差が生じてきます。16bitというのは2進数の16桁、24bitは24桁ですから、計算結果、最後の1桁か2桁は必ず誤差となってくるといっていいでしょう。

もし16bitの素材を直接、編集していたら、どんどん誤差は大きくなっていきます。しかし、24bitで何回か編集作業を行い、最終的に上位16桁分、つまり16bitにしたらどうでしょうか? 誤差は下位8bitにのみ現れていて、16bitのほうには、まず現れないので、結果としていい音質になるわけです。

サンプリングレートのほうは、ビットほど顕著ではないものの、同様のことがいえると思います。

したがって、レコーディングから編集作業までを24bit/96kHzで行うというのは、最終的に16bit/44.1kHzにするにしてもメリットのあることなのです。

【デジタルレコーディングの基礎知識】その1
サンプリングって何だ?

【デジタルレコーディングの基礎知識】その2
色々あるインターフェイス
【編集部おすすめの購入サイト】
Amazonで DTM 関連の商品をチェック!楽天市場で DTM・デジタルレコーディングをチェック!
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます