CubaseVSTやLogicに押され、最近やや影が薄くなった感じのあったCakewalk。国内でもミュージ郎製品がCakewalkからSingerSongWriterに切り替わったこともあって、ここしばらくパッとしたイメージに欠けていましたが、そのCakewalkが大きくイメージチェンジするとともに、非常に強力なソフトに生まれ変わりました。
これまで1つずつバージョンをアップし、Version9となっていたCakewalkは今回10にはならず、SONARという名前で登場したのです。名前が変わったことからも想像できるように、見た目にもまったく違うソフトで、バージョンアップというよりも、別ラインナップが登場したと考えたほうがいいようです。MIDI機能については、比較的従来のものに近くなっているものの、オーディオ機能はCubaseVSTなどを意識したのか、ミキシング、ルーティング、エフェクトなど非常に強力になっています。
実際、現在豊富なライブラリがそろったVSTインストゥルメンツ(ソフトシンセ)をそのまま利用できるほか、新たにDXi(DirectXインストゥルメンツ)にも対応。しかもDXi対応のソフトシンセが3種類も同梱されています。一方、エフェクトのほうも従来どおりDirectXプラグイン対応になっており、これまで別売であったCakewalk Audio FX1/2が同梱されています。
このSONARは\58,000という定価ですが、これにUSBのオーディオ&MIDIモジュールSC-D70をセットにした「ミュージ郎 ソナー・デジタル・スタジオ」も\95,000で登場。従来のミュージ郎シリーズとは一線を画した製品ではありますが、かなりハイエンドユーザーにでも利用できるものになっています。
さらにSONARのDXi対応の3つソフトシンセはVSC-MP1という単体としても発売されます。現状DXiを利用できるホスト環境はSONARしかないため、DXiとして利用するのであれば無意味な製品となってしまいますが、このVSC-MP1はDXiとしてだけでなく、WindowsおよびMacintoshでスタンドアローンで動作させることが可能です。さらにVSTインストゥルメンツとしても利用できるよう設計されているため、CubaseVSTやLogicなどVSTインストゥルメンツが利用できる環境で使うことができるのです。
さらにハードウェアとしてはアンプ内蔵スピーカーおよびUSB-MIDIインターフェイスが登場しています。アンプ内蔵スピーカーはMA-10A(\12,000)、MA-10D(\16,000)の2つでとくに後者はオプティカル/コアキシャルの入力端子が設けられており、24bit/96KHzの信号を入力し、直接音を出すことができるようになっています。
また、USB-MIDIインターフェイス、UM-2EはUM-2の後継。といったも性能が変わったわけではなく価格が引き下げられ\11,000になったというものです。
このうちSONARについては、手元にα版も届いていますので、近いうちに試用レポートなどを掲載したいと思います。
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